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「自分の射撃貫け」 県警けん銃特別訓練部監督 佐々木正広さん59 娘・千鶴の強み悔しさ力に

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代表に内定し、達増知事を表敬訪問した佐々木正広監督(左)と千鶴選手(5月10日、県庁で)
代表に内定し、達増知事を表敬訪問した佐々木正広監督(左)と千鶴選手(5月10日、県庁で)

 県警けん銃特別訓練部の監督として自身の後を追って警察官となった娘の千鶴選手(35)をライフル射撃のオリンピアンに育て上げた。その二人三脚は今年でちょうど10年。東京五輪はそんな親子の集大成だ。

 住田町出身。自らは警察官になってから射撃を始め、これまでに4度国体に出場した。千鶴選手が子どもの頃には国体の試合会場に連れて行ったこともあったが、千鶴選手を競技に誘ったことはなかったという。

 転機は2011年。県警内で16年の岩手国体での優勝に向けて特別訓練員を募集した時のことだ。県内の各署から20~30人が応募したが、その中に娘の姿があった。射撃では重い銃を安定させる体のバランスが重要となる。目を閉じたまま片方の足で何分間立てるかなど適性を検査したところ、千鶴選手1人が最後まで残った。

 年が明け、本格的な練習が始まると、千鶴選手はすぐに頭角を現した。ピストルの構え方など射撃の基礎を教えたばかりなのに、いきなり3月の全日本選手権エアピストルで8位入賞。続く10月の岐阜国体でも同種目で3位に入った。監督として「まさかの表彰合」とびっくりした。

 しかし、翌年の東京国体。千鶴選手は勝たなければというプレッシャーに負け、予選敗退した。「人生そんなに簡単にはいかない」。娘の成長を思うと、逆に良かったと思った。負けた原因は本人が一番分かっていると思い、あえて厳しい言葉はかけなかった。

 気持ちを入れ替えて練習に取り組んだ千鶴選手は16年の岩手国体で目標だった優勝を果たした。その時、競技役員の仕事で盛岡市にいたが、八幡平市の会場まで駆けつけた。娘を訓練員に指名した身として「喜びというよりほっとした」と振り返る。

 それから親子の目標は五輪に変わった。だが、壁が再度、立ちはだかる。19年に始まった東京五輪の代表選考会で最終まで残れず、まさかの落選となったのだ。岩手国体優勝という目標を達成後、新たな目標にうまく気持ちを切り替えきれていなかったことが響いた。

 そんな時、チャンスが訪れた。五輪の延期が決まり、選考会が仕切り直しとなった。千鶴選手は再び本気になって練習に励み、2度目の選考会は代表決定戦までもつれ込んだ。相手は3度目の五輪を目指す実力者。相手を意識していた千鶴選手に試合前、「相手は関係ない。冷静になって自分の射撃を貫くだけだ」と激励した。そのアドバイスが効き、代表入りが内定。「オリンピックはテレビの世界。自分の娘が出るなんて信じられない」と喜んだ。

 東京国体での敗退、1度目の代表選考会での落選――。千鶴選手の強さは「負けた悔しさを次の大会への力にできることだ」と話す。練習中は親子であることはあまり意識しないというが、親子だからこそ通じる部分がある。「もう実力は自分を超えた」という千鶴選手に五輪直前は、試合に臨む際の心構えなど精神面をアドバイスしてきた。

 千鶴選手は25日に行われたエアピストル予選で53人中50位で決勝進出を逃した。29、30日はリベンジをかけ、25メートルピストルの予選に挑む。今回もこれまでのように負けた悔しさをきっと晴らしてくれると願っている。

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2242714 0 ともに五輪へ 2021/07/29 05:00:00 2021/07/29 05:00:00 2021/07/29 05:00:00 正広監督と千鶴選手。代表に内定し、親子で達増知事を表敬訪問した(5月10日午後0時2分、県庁で)=冨田駿撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210728-OYTAI50007-T.jpg?type=thumbnail

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