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復興五輪を売り込め― 県産木材が卓球台や施設に…

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岩泉町の木材を五輪の卓球台に売り込んだ松永さん。「町の木材に誇りを持ってほしい」と語る(6月21日、岩泉町で)
岩泉町の木材を五輪の卓球台に売り込んだ松永さん。「町の木材に誇りを持ってほしい」と語る(6月21日、岩泉町で)
選手村の木材を加工した「二和木材」の小笠原社長。「大会後は多くの人の目に触れる場所で活用してほしい」と話す(5日、滝沢市で)
選手村の木材を加工した「二和木材」の小笠原社長。「大会後は多くの人の目に触れる場所で活用してほしい」と話す(5日、滝沢市で)

 東京五輪では、岩手産の木材が卓球台や選手村の施設に使われ、選手らの熱戦や交流を支えた。

 卓球台には岩泉町の木材が使われた。同町は希少な広葉樹の森が多く広がる全国的にも珍しい地域。2003年には、適切に管理された森林を国際認証する「FSC(森林管理協議会)認証」をいち早く取得した。

 同町の木を卓球台に売り込んだのは、同町で木材の流通に携わる松永充信さん(40)だ。町の森や家具職人の技術にほれ込み、16年4月に埼玉県から移住。林業の活性化を図るため、町が進めていた木材加工場の建設を支援していた。だが、同年8月に台風10号が町を襲った。このことが木材と五輪を結びつけるきっかけとなった。

 町では、台風で土砂災害や河川の氾濫が発生し、関連死を含め計25人が犠牲となった。「自分に何かできることはないのか」。町の惨状を見て考えていた松永さんはその時、前回リオデジャネイロ五輪の卓球台の脚部に宮古市産のブナが使われていたことをたまたまテレビで知った。

 「東京五輪で町の木材を使ってもらえれば、町の復興につながる」。そうひらめくと、リオに続き、東京大会でも卓球台を提供することが決まった「三英」(千葉県流山市)を訪ね、社長に直談判した。「東日本大震災や台風で被災した地域の復興につながる」「国際認証も取得している」と必死にアピールした。

 それから2年間。反応もなくあきらめかけていたが、18年10月に突然、採用の連絡が届いた。指定された樹種は、高級家具に使われる「ウダイカンバ」。もう伐倒の時期は終わっていたが、知り合いに片っ端から連絡し、なんとか丸太4本を確保した。丸太は卓球台12台の脚の部分に使われた。

 大会期間中、松永さんはテレビを通じて卓球台を支える脚を特別な思いで見つめた。「岩泉の木材が五輪で使われたことは、地元にもあまり知られていない。これを機に町の木材に誇りを持つきっかけになれば」と期待を込める。

 選手村にある交流施設「ビレッジプラザ」にも、県と宮古市が提供した木材が使われた。木材の提供は、大会組織委員会が企画。17年秋に公募が行われ、全国63自治体が選ばれた。

 県が提供したのは、盛岡市など3市町村で育てられたアカマツとカラマツ計約73立方メートル。「岩手県」と記された焼き印が入っている。滝沢市の「二和木材」が約1100本の木を約5400個の部材に加工して提供した。小笠原清貴社長(41)は「世界中から五輪の関係者が集まる空間の建設に関われてうれしい」と語る。県の担当者も「県産の高品質な木材の良さをPRすることができた」と話す。

 宮古市は「復興五輪」が五輪のテーマとなっていることから公募に応募。スギ約5立方メートルが使われた。市の担当者は「被災地からも木材を届けることができて良かった」と話す。

 大会後、交流施設は解体。木材は各自治体に返却され、レガシーとして活用される予定だ。県や宮古市ともに活用方法については検討中だが、「多くの人の目に触れる場所で活用したい」と話している。

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2278161 0 レガシーTOKYO2020+ 2021/08/12 05:00:00 2021/08/12 05:00:00 2021/08/12 05:00:00 岩泉町の木材を東京五輪の卓球台に使用するよう働きかけた松永さん(6月21日午後3時24分、岩泉町で)=有村瑞希撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210811-OYTAI50014-T.jpg?type=thumbnail

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