[冒険 潮風トレイル]宮古市、道の駅たろう~浄土ヶ浜 震災の爪痕残る元キャンプ場…

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 みちのく潮風トレイルで沿岸部を縫うように進んでいくと、東日本大震災の津波の爪痕に出会うことは少なくない。今回は、震災からの教訓も学ぶことができる、宮古市の「道の駅たろう」を起点とした1泊2日の約23キロのコースに挑戦してみる。

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 コースでは、まず田老地区の市街地を歩く。同地区では震災前、「万里の長城」と呼ばれた高さ10メートル、全長約2・4キロの巨大防潮堤が整備されていたが、震災の津波で破壊され、181人が犠牲となった。

 同地区には現在、昨年完成した高さ14・7メートルの防潮堤がそびえ立つが、歩いていると、津波で壊れた防潮堤も見ることができた。震災では防潮堤の存在に安心して逃げ遅れた人もいたという。新旧の防潮堤を見ながら、「もう二度と逃げ遅れによる犠牲が起きないように」と願わずにはいられなかった。

 田老の市街地を後にし、急な階段を上って山に入る。前日に北山崎の「海のアルプス」を歩いたせいか、筋肉痛で階段の上り下りがつらい。しばらく歩くと、「栃内浜」に出た。巨大な流木がある浜や目の前に迫る断崖に、無人島に流れ着いたような錯覚に陥った。

津波で破壊されたキャンプ場の炊事場を前に「津波では避難することが何より大切」と話す大和田さん(4月18日、宮古市の震災メモリアルパーク中の浜で)
津波で破壊されたキャンプ場の炊事場を前に「津波では避難することが何より大切」と話す大和田さん(4月18日、宮古市の震災メモリアルパーク中の浜で)

 その先にあるゴルフ場を抜けてたどり着いた「震災メモリアルパーク中の浜」は、環境省が整備した元キャンプ場の震災遺構だ。土台がえぐられたトイレ、鉄筋がねじれた炊事場。襲ってきた約15メートルの津波の高さを体感できるよう、がれきに土をかぶせて作られた丘もある。

 近くにあるホテル「休暇村陸中宮古」では、宿泊の有無にかかわらず、遺構を案内してくれるガイドを有料で申し込める。ガイドの大和田陸也さん(24)は、田老地区に住む祖父母の家が津波で流されたという。大和田さんは「防潮堤はすべてを守るわけではなく、逃げる時間を作ってくれるだけ。迅速な避難が大切」と話してくれた。

マツの間から望む宮古湾。左手に浮かぶ離島は、この島から朝日が昇るように見えることから「日出島」と名付けられた(4月19日、宮古市で)
マツの間から望む宮古湾。左手に浮かぶ離島は、この島から朝日が昇るように見えることから「日出島」と名付けられた(4月19日、宮古市で)

 この日は休暇村に1泊。翌日はさらに南下した。晴天だが風が強い。少し立ち止まるだけで寒く、ウィンドブレーカーが重宝する。気付くと数十メートル先にいるカモシカと目が合った。余裕の表情でむしゃむしゃと葉っぱをはんでいる。

 最終目的地の浄土ヶ浜にたどり着くと、たくさんのウミネコたちが出迎えてくれた。浄土ヶ浜ビジターセンターからは、路線バスで三陸鉄道宮古駅へ。列車で新田老駅に向かうと、スタートの道の駅に戻ることができた。

 コース紹介は今回が最後となる。トレイルには他にも多くのコースがあり、自身の足で三陸の大自然を堪能してみてはいかがだろうか。最終回の次回はトレイルの魅力についてのインタビューを紹介する。

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2975177 0 冒険 潮風トレイル 2022/05/06 05:00:00 2022/05/07 08:18:46 2022/05/07 08:18:46 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/05/20220505-OYTAI50036-T.jpg?type=thumbnail

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