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震災の記憶町一体で継ぐ 大槌町 跡地活用民間と議論

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運営会議で展示された、旧役場庁舎にあった大時計(手前)や、職員が屋上へ逃げたはしご(右奥)(8月19日、大槌町役場で)
運営会議で展示された、旧役場庁舎にあった大時計(手前)や、職員が屋上へ逃げたはしご(右奥)(8月19日、大槌町役場で)

 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた大槌町で、震災伝承の方法を官民連携で考える「大槌町震災伝承プラットフォーム(PF)」が先月始動した。これまで個別に行われてきた震災の伝承活動について町や町民らが一体となって話し合い、取り組みを加速させるのが狙いだ。(宍戸将樹)

 PFでは、学校や伝承活動に取り組む団体の関係者ら委員7人で構成する運営会議を設置。その下に「震災伝承の場のあり方検討」「震災語り部の育成」「震災教育・研修コンテンツの開発・整備」の三つの部会を置き、町と一緒に伝承の方法を議論する。具体的には、多くの職員が亡くなった旧役場庁舎跡地や津波で観光船が乗り上げた民宿跡地の活用・整備、修学旅行や企業研修に向けた語り部の育成、「命を守る」ことを第一とする教育カリキュラムの策定を目指す。

 町では、これまで旧役場庁舎の解体を巡り町を二分する議論になり、解体決定後も解体差し止めを求める住民訴訟に発展した。そのため、行政や住民が一体となった伝承の取り組みが遅れており、震災の記憶風化を心配する声も上がっていた。PF設置により町一体となった伝承の取り組みを加速させる。

 8月19日に町役場で開かれたPFの1回目の運営会議では、今後の進め方について議論。「これからの大槌を担う若い人にも伝承に参加してほしい」「時期を決めるのでなく、時間をかけて考えることが大事」「これまでの対立構造を取り払いたい」などの意見が交わされた。会場では、今後公開などを検討する旧役場庁舎の大時計や職員らが屋上に避難したはしごなども展示された。

 会議後、委員の一人で、船が乗り上げた民宿跡地に花を植える活動を続けるNPO法人「はまゆり復元保存会」会長の古舘和子さん(75)は「自分もあと何年活動できるか分からない。多くの人と共有し、次の世代につなげていければ」と話した。

 役場職員の遺族らも現在、地蔵と献花台が設置されているのみの旧庁舎跡地の活用を求めている。福祉課に勤めていた長女の裕香さん(当時26歳)を亡くした小笠原人志さん(69)は、震災伝承の部会に参加する予定で、「二度と同じことを繰り返してほしくない。津波が到達した高さが分かるようなものを含め、家族が町民の命と財産を守るために働いていたことを記録するものがほしい」と話す。

 PFでは今年度中に運営会議を2回開催。部会での検討内容も踏まえ、今後、役場庁舎跡の整備など具体的な事業に着手する計画だ。平野公三町長は「東日本大震災は忘れることができない災害。今後起きる災害から命を守るためにも様々な意見をいただきたい」と話した。

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2354667 0 ニュース 2021/09/10 05:00:00 2021/09/10 05:00:00 2021/09/10 05:00:00 津波の威力を物語る、旧役場庁舎にあった大時計やはしごなどが展示された(19日午後6時18分、大槌町役場で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210909-OYTNI50023-T.jpg?type=thumbnail

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