誰もが輝く場 引き出す

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「どんな人ともフラットな関係で働ける職場をつくりたい」と話す多田さん(丸亀市で)
「どんな人ともフラットな関係で働ける職場をつくりたい」と話す多田さん(丸亀市で)

 ◇清掃業「サニーサイド」社長 多田 周平さん 41

 「業界的に人手不足ですが、わが社は違います。優秀な社員がたくさんいますから」。ホテルの清掃業務などを請け負う会社「サニーサイド」(丸亀市)を起業し、障害者やひきこもりの経験者らを積極的に採用してきた。従業員約160人の6割は就労が困難な人たちだ。「どんな人にも輝ける場所がある。それを引き出してあげたい」

       ■  □

 琴平町出身。四国学院大を卒業後、県内の清掃会社に就職した。就職氷河期でも楽に入社できそうという理由からだった。入社後、誰からも褒められたことがなかった自分を認めてくれる上司に出会った。「一緒に10年仕事をしよう」と言ってくれたが、2年後、白血病で他界した。

 彼は病床にあってもパソコンでできる限りの仕事をしていた。引き継ぎ書を作ったり、各現場の課題を抽出したり……。生死に関わる病を患いながら、なぜそこまで仕事をするのか。尋ねると、「仕事を失うことは、社会で存在を失うことだ」と返ってきた。40歳代の若さで亡くなった彼が働く意味を教えてくれた。

 清掃業のノウハウを学び、33歳の時に独立。求人は障害のある人たちが訓練をしている就労移行支援事業所を通じても行った。「企業は人手不足を嘆くが、一方で働きたくても雇ってもらえない人がいる。社会に存在を認められるための仕事ができないなんておかしい」。起業の理念には亡き上司の言葉も大きく影響している。

       ■  □

 彼らと共に仕事をするには、意思疎通の難しさや、作業を覚えるまでに要する時間、体調不良による急な欠勤など、様々な困難が伴う。だが、彼らに無理なことを求めるのではなく、「会社の制度が社員に合ってない」と考えた。

 ホテルの清掃は一般的に1室を1人か2人で行うが、6、7人で1室を清掃するように改めた。シーツを回収するだけ、掃除機をかけるだけなどと作業を細分化し、担当を決めた。一つの作業なら覚えやすいし、誰かが急に休んでも、他の従業員でカバーできる。

 「清掃は誰だってできる簡単な作業。できれば、部屋がきれいになり、成果が分かりやすい。仕事ができて、自信をつけていく彼らの姿を見るのが何よりうれしい」。そんなやりがいを感じている。

 会社は毎年売り上げを伸ばし、高松市内のゲストハウスの運営など清掃以外の事業も手掛けるようになった。最近は特別支援学校とも連携し、卒業生を雇うこともある。会社のホームページを見て、入社を希望する人も多いという。

 障害のある人たちには、できないこともある。「それなら、できるところを見てあげればいい。働く意思さえあれば、どんな人とも一緒に働きたい」(伊藤孝則)

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46229 0 人あり 2018/10/28 05:00:00 2018/10/28 05:00:00 「どんな人にも輝く場所がある。働く意志さえあれば、どんな人とも一緒に働きたい」と話す多田さん(25日、丸亀市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20181028-OYTAI50000-T.jpg?type=thumbnail

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