読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

本物の畳を残したい

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

「さらに技術を向上させたい」と話す山口さん(高松市で)
「さらに技術を向上させたい」と話す山口さん(高松市で)

全国一に輝いた畳職人 山口 晃平さん 36

 愛知県常滑市の県国際展示場で2月に開かれた第31回技能グランプリ畳製作部門で金賞に輝いた。昨年に続く2度目の挑戦で、前回は入賞さえできなかっただけに、「素直に驚いた」と喜ぶ。

 高松市に生まれ、県立高松工芸高建築科を卒業。「住宅に関わるものづくりがしたい」と、「山下畳商店」(高松市国分寺町)に入社し、それまで全く縁のなかった畳の世界に飛び込んだ。

 初めの頃はわからないことだらけで苦しんだが、他の職人を見て技を学んだ。6年前から工場長として後輩を指導しながら、自身も採寸や張り替えに携わり、年約5000畳を手がける。代表取締役の山下明宏さん(38)は「才能も努力もピカイチ」と評価する。

 畳の製作は、畳床と畳表に針を通し、糸で固定するため、かなりの力が必要で、畳表と畳縁たたみべりをぴったり合わせる職人技も求められる。

 国家資格の「1級畳製作技能士」を取得するだけでも最短5年かかり、以降も鍛錬に終わりはない。

 手がけるのは、オーダーメイドがほとんど。「一つとして同じ畳はない」と、どの仕事にも真摯しんしに向き合ってきた。張り替えを依頼された畳を見て、「これよりも上手に作らないと、お客さんに申し訳ない」と気を引き締めるという。

 間取り、部屋のゆがみ、柱の張り出し方……。部屋を丹念に観察し、どのような張り替えがベストか、瞬時に判断する。

 技能グランプリでは、5時間で2種類の畳を作り、技術や製作速度、完成品の見栄えの良さなどが評価される。昨年は「緊張しすぎて十分な力を出せなかった」という。

 「同じ失敗は二度としない」。1年間、イメージトレーニングを重ね、今年は金賞を受賞した。「イメージ通りに体が動いた」と胸を張る。

 和室のある住宅が減り、畳が機械で製作されることも増えた。それでも、手作業で仕上げた畳の良さを信じている。張り替えなどで指名してくれる客が増えたといい、「『前よりずっと良くなった』というお客さんの声がやりがい。数十年後に見られても恥ずかしくない畳を作っていく」と誓う。

 さらに、後進の指導にも今以上に力を入れるつもりだ。「後世に技術をつないでいく義務がある。職人を育て、本物の畳を残したい」(猪原章)

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2054804 0 人あり 2021/05/16 05:00:00 2021/05/16 05:00:00 「今後も畳製作の技術を向上させていきたい」と話す山口さん(高松市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/05/20210515-OYTAI50011-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)