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<四国>障害者スポーツ 5 ともに走り つながる絆

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支える人たち

弱視のランナー(左)と「きずな」と呼ばれるロープを持って走る伴走ボランティア(松山市で)
弱視のランナー(左)と「きずな」と呼ばれるロープを持って走る伴走ボランティア(松山市で)

 「きずな」と呼ばれる1本のロープを握り合った2人が息を合わせ、狂いのないリズムで夜の道路を駆け抜けていく。視覚障害者と伴走者が2人1組になって走る「えひめだんだんパートナーズ」(松山市)の仲間たちだ。10年ほど前から弱視になった岩崎 あきら さん(57)が昨年10月に設立し、松山市内の道後温泉や松山城周辺などで毎週1~2時間、ランニングやウォーキングを楽しんでいる。

 会員は約70人で、3分の1が視覚障害者。障害者の参加目的は様々で、マラソンなどの競技会での記録更新を狙う選手から、日々の運動や外出のきっかけ作りで顔を出す人まで幅広い。入会前まで自宅の玄関さえ自力で出られなかった障害者もいて、両手を引かれながらおそるおそる一歩を踏み出した人もいる。

 生まれつき全盲の米屋明歩さん(25)は、道順を暗記するのが苦手で、自宅から昔通っていた特別支援学校までの半径1キロくらいの範囲でしか出歩くことはなかった。「散歩はおろか、買い物でもほとんど外出なんてしていなかったけれど、みんなに毎週会えることが楽しみの一つになった。今は2キロくらいなら平気で走れるようになり、ダイエットにもつながってます」と頬を緩める。

 伴走者として参加する薬剤師の梅岡真理さん(36)は「1人で走っていたらペースダウンしたり、諦めたりするようなきつい坂でも『きずな』を握れば、自然と力が湧いてくる。チームスポーツのように2人で走るから出てくる力。全く別の競技みたいなんです」と伴走の魅力を語る。

 えひめだんだんパートナーズは、四国で3番目に作られた伴走サークルだ。2008年に四国で初めて、「てんとう虫パートナーズ」(香川県)が結成され、16年には「阿波を共に走る会」(徳島県)が続いた。高知県でも定期的に視覚障害者向けのウォーキング教室が開かれており、設立に向けた動きもある。

 てんとう虫パートナーズにも所属し、えひめだんだんパートナーズで伴走者の育成にも携わる白石陽一さん(59)は、伴走者に求められるのはコミュニケーション能力が一番だとする。安全安心に楽しみながら走るためには、速さや体力よりも、交通量や距離、景色などの走行環境を的確に伝えるのが大切だという。

 「だんだん」は、「ありがとう」を表す愛媛の方言。2人で走っているうち、「ボランティアをしている」のではなく、「ランナー仲間として助け合っている」という絆が生まれる。(福永健人)(おわり)

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2388230 0 New門@四国 2021/09/23 05:00:00 2021/09/23 05:00:00 2021/09/23 05:00:00 弱視のランナー(左)と「きずな」と呼ばれるロープを持って走る伴走ボランティア(松山市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210922-OYTAI50015-T.jpg?type=thumbnail

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