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天然素材 寝具に安心感

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ハート

「SaFo」ブランドで展開しているベビー服やタオルなどをPRする山岡さん
「SaFo」ブランドで展開しているベビー服やタオルなどをPRする山岡さん

 「オーガニック」という言葉がまだ広くは知られていなかった1988年の創業時から、天然素材にこだわった自社製の布団や枕、タオルなどを販売する。開発の原点は、両親から経営を引き継いだ現社長が幼少期、合成化学薬品のアレルギーに苦しんだ経験だ。

 昨年4月に就任した山岡弘章社長(37)は幼少期、アレルギーに起因するぜんそくの発作で無呼吸状態となり、救急搬送された。その後も数年間、アレルギーに悩まされたという。

 これがきっかけとなり、寝具店を営んでいた両親が88年、高知市でハートを設立。化学薬剤を使わず体に負担をかけない素材・製法の寝具を開発した。

 全国の生活協同組合を中心に販路を開拓。高知県大豊町の工場は2005年から毎年、国際認証機関「エコサート」による国際オーガニック認証を取得している。

 工場では、ホルマリンやセシウムなどは一切検出されない。縫い糸もポリエステルなどは使わず、綿糸にこだわる。高い技術で縫った綿生地は密度が高く、肌触りが滑らかだ。

     ◇

 国内外の展覧会に、積極的に出展して自社製品のPRを重ねた。結果、「ステラ・マッカートニー」「グッチ」など有名ブランドのドレスに生地が採用されたり、「ミキハウス」のベビー服の製造を請け負ったり、事業を拡大。08年には経済産業省の「製品安全対策優良企業」、13年にも「ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれた。

 19年4月には、東急ハンズ渋谷店に初の実店舗となる「オーガニックハート」をオープン。インターネット販売と違い、「商品を手にとり、良さを確かめられる」と好評を得た。一方で、売り上げ増はわずかで、ブランディングの大切さを痛感したという。

 そこで、有名デザイナーの力も借り、昨年6月、「自然、オーガニックは、私たちの『作法』である」の基本理念のもと、新ブランド「SaFo(サフォ)」をつくった。コロナ禍に、余り生地を再利用した「オーガニックコットンマスク」も発売し、人気を集める。

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 家が「ただ寝に帰るだけ」という人でも、寝具は欠かせない。無染色、無漂白にこだわった枕や布団などの快適さを売りに、20年7月期の売上高は2億5000万円。次期は更なる上積みを見込む。

 約20人の従業員はほとんどが女性で、有給休暇の消化率や出産後の職場復帰率は100%。子どもの参観日と百貨店など取引先との商談が重なった際は、商談日をずらすよう社員に呼びかけるなど、ワーク・ライフ・バランスに注力する。

 コロナ禍の外出自粛やアウトドアレジャー人気を意識し、現在、余り生地を使ったソファや寝袋などの開発に乗り出している。

 若き社長はさらに先を見据える。「サフォのブランド価値を確立し、海外市場に打って出たい」(田岡寛久)

女性を中心に人気

 オーガニック商品は食料品やワイン、化粧品、繊維製品など多岐にわたり、女性を中心に人気だ。

 一般社団法人「日本サステナブル・ラベル協会」(東京)によると、繊維製品の国際基準のオーガニック認証は、原料の70%以上が天然繊維であることなどが条件の「GOTS」、原料の収穫から全工程で製品の汚染がない「OCS100」などがある。

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2216908 0 Focus 四国企業 2021/07/19 05:00:00 2021/07/19 05:00:00 2021/07/19 05:00:00 「SaFo」ブランドで展開しているベビー服やタオルなどをアピールする山岡さん(高松市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210718-OYTAI50000-T.jpg?type=thumbnail

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