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旭洋鉄工

視線入力のパソコンを置くことができるテーブルについて説明する旭洋鉄工の担当者(高松市で) 
視線入力のパソコンを置くことができるテーブルについて説明する旭洋鉄工の担当者(高松市で) 

 タンクや機械を設計・製作する1921年創業の〈町の鉄工所〉は9年前、福祉の分野に進出した。特別支援学校教員の悩みをきっかけに開発したのが、車いすに取り付けられるタブレット端末用のテーブルだ。

介護用滑り止めシートについて語る岡田社長(高松市で)
介護用滑り止めシートについて語る岡田社長(高松市で)

 岡田義弘社長(67)らは2012年8月、県内の健康関連製品の開発フォーラムに参加。そこで、県立高松養護学校の教員から相談を受けた。

 高等部の3人が、課外活動でタブレット端末を使い、地図を検索しながら目的地に向かう際、車いすで膝の上に置いていると、段差などで落としてしまう危険がある。車いす用のテーブルはあるが、大きすぎて足元が見えなくなってしまう。メーカーに対応を頼んだが、断られたという。

 岡田社長はすぐさま、開発に乗り出す。

 同校の生徒らにモニターとして協力してもらいながら試行錯誤。国の補助金も得て、14年12月、次世代型車いす用テーブル「RightNow Select」が完成した。

 用途に合わせてテーブルの高さや角度、向きが片手で簡単に変えられ、折り畳んで収納できる。同校では、中学部から高等部に進学する際、車いすを買い替える家庭も多いと知り、あらゆるタイプの車いすに取り付けられる設計にした。強度にもこだわり、使い続けても5年は壊れないという。

 注文に合わせ、可動箇所を増やしたり、利用者の顔とテーブルの距離を取れるようにし、視線でパソコンを入力できたりするものなどを製作。価格は10万円前後で、販売個数は200を超える。

 福祉関連の商品は「鉄工所」の枠にとどまらない。

 テーブルに片手で取り付けられ、スマートフォンや財布などの小物を収納できるナイロン製のカバンも開発。半身が不自由でも片手で使えるため、人気という。

 また、タブレット端末や体のズレを防ぐため、ポリウレタン樹脂で表面を加工した介護用の滑り止めシートを「RightNow」の名前で商品化。「やりたいことがすぐにできる」との思いが込められている。

 会社の主力は、水処理タンクや省力機械などの設計・製作。福祉機器について、岡田社長は「本業の売り上げからするとほんの数%。赤字を出し続け、従業員から怒られてきた」と笑う。

 新型コロナウイルスの影響で、展示会などが開けず、思うようにPRできない中、特別支援学校や病院などに無料貸し出しを行うなどして浸透を図る。

 「これからも障害のある人たちのニーズに応えていきたい。高齢化が進み、脳卒中で半身が不自由になる人もいる。医療や介護分野にも視野を広げたい」。金属加工の下請けだけでなく、自社ブランド製品を持つメーカーとして、存在価値を高めている。(田岡寛久)

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