造船技術 たき火台に

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興栄企画 丸亀市

「既製品にとらわれない商品作りをしたい」と話す森山社長。たき火用のまきも販売している
「既製品にとらわれない商品作りをしたい」と話す森山社長。たき火用のまきも販売している
看板商品の「TAKI BE CAN」(タキビーキャン)
看板商品の「TAKI BE CAN」(タキビーキャン)

 船の製造・修理を担う町工場が、アウトドア用品を手がける。キャンプが趣味で「こんな物があればいいな」という社長のひらめきと、培ってきた鉄の加工技術。これらが合わさり、オンリーワンの人気商品を生み出している。

 看板商品は、6年かけて開発したたき火台「TAKI BE CAN」(タキビーキャン)。いつ、どこでも「たき火ができる」との意味が込められている。

 開発のきっかけは2012年。森山竜志社長(46)が休日に訪れたキャンプ場で、強風のため、たき火に苦戦するキャンパーを見かけた。「もっと使いやすくできないか」。工場に戻ると、造船職人だった腕前を生かし、試作品を作り始めた。

 雨風を避けるため、一斗缶でたき火台を作ってみたが、 醍醐だいご 味の「たゆたう炎」が周囲から見えにくい。そこで、鉄製の箱型はそのまま、側面に耐火ガラスをはめ込み、炎がよく見える構造を実現した。

 従来のたき火台は煙が出やすく、周囲の迷惑になることも。タキビーキャンは、長さ1メートルの煙突で上昇気流を生み、煙の影響を最小限に抑える。側面は鍋などに使われるホーローで加工し、耐熱性を高めた。

 完成後、キャンプ場で使っていると、他のキャンパーから「どこで買ったの?」と度々尋ねられた。自分用に作ったものだったが、「これはウケるかもしれない」と商品化に踏み切り、シンプルな黒、鮮やかな青など4色をそろえた。

     ◇

 18年11月にブランドを設立し、19年1月にインターネット販売を開始。その後、続々と新しいアウトドア用品を投入した。

 車に積み込む際にかさばらないよう厚さ1センチ以下に折りたためるたき火台、配管部品を使ったデザイン性豊かな蚊取り線香入れ、さぬき市のメーカーと共同で製作したたき火用手袋などが売れ筋だ。

 コロナ禍でのキャンプ人気の高まりも後押しした。売り上げは本業の造船・建設業に及ばないものの、昨年9月までの1年間は、前年比4倍以上の約8000万円。森山社長は、自身の経験に基づく視点を大切にしているといい、「既製品にとらわれない商品作りをしたい」と力を込める。

 昨年9月にはキャンピングカーのレンタル事業に参入。将来的には、キャンプ場の経営も考えている。「海、山、島。自然に恵まれた瀬戸内はキャンプの最適地。ここからさらにキャンプ熱が盛り上がれば」(林信登)

     ◇

 2008年10月、船舶の製造・修理業として創業。香川県内3か所に工場を置き、金属加工や建設なども手がける。従業員50人、資本金200万円。

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