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    <5>しょうゆの魅力再発見

    • 独特の甘じょっぱさが人気のしょうゆソフトクリーム
      独特の甘じょっぱさが人気のしょうゆソフトクリーム

     ◆老舗メーカー ソフトクリーム人気

     甘口で知られる鹿児島のしょうゆを冷たいソフトクリームに混ぜ込む。創業約90年の歴史を誇る老舗しょうゆメーカー「吉村醸造」(いちき串木野市大里)の「しょうゆソフトクリーム」は、今や隠れた同社の人気スイーツに成長した。

     見た目は普通のソフトクリームより、やや茶色がかっている。だが、顔を近づけてもしょうゆのにおいはしない。一口食べると、濃いミルクの甘さの後に甘じょっぱさが追いかけてきた。後味もさっぱり。「癖になる味でしょう」。直売所のスタッフ、米丸しおりさん(29)が笑顔で語った。

     きっかけは、4代目社長の吉村康一郎さん(36)が数年前、同業者と訪れた香川県での研修旅行だった。しょうゆメーカーで出されたしょうゆ味のソフトクリームを食べ、独特の味わいにうなった。

     意外性に驚きながらも、仕事で日常的に扱うしょうゆの新たな一面を発見し、うれしくなった。そこで思い浮かんだ。「鹿児島の甘口しょうゆなら、もっとおいしく作れるんじゃないか」

     すぐに数人の社員らと商品化に着手した。ただ、混ぜ過ぎると辛く、少ないと物足りない。十数種類のしょうゆで配合を細かく調整し、数か月間の試行錯誤の末、相性が最も良かったのが定番商品の「こいくち甘露」(塩分13・9%)だった。比率は企業秘密だが、みたらしのような甘じょっぱさと絶妙なバランスに仕上げることができた。

     国道3号沿いにある本社の向かい側に2012年、直売所を開店したのに合わせて販売を始めた。味はもちろん、しょうゆ店が作るソフトクリームという物珍しさもあり、週末には行列ができる光景もしばしば。夏には300個ほど売れる日もあるという。

     「しょうゆの魅力の再発見につながればうれしいですね」と所長の栗野良弥さん(29)。「インスタ映え」を求め、最近は若い女性らがソフトを手に写真を撮り合う姿も増えている。

     昨年7月には、鹿児島市の県歴史資料センター黎明れいめい館に、レストランと直売店を併設した「城山シーズニング」をオープンさせた。人気スイーツの評判は県都にも広がり始めている。

     Sサイズ200円、Mサイズ300円(いずれも税別)。問い合わせはいちき串木野市の直売所(0996・29・5898)へ。

     (おわり)

    2019年01月07日 05時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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