「どんぐりピアノ」が絵本に 終戦後、児童らで資金 霧島・三体小

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どんぐりピアノを前に絵本を持つ山下校長(左)ら
どんぐりピアノを前に絵本を持つ山下校長(左)ら
絵本「ぼくはどんぐりピアノ」
絵本「ぼくはどんぐりピアノ」

 霧島市牧園町の市立三体さんたい小(全校児童23人)では、65年前に購入したグランドピアノが今なお現役で活躍している。必要な資金は終戦後、児童らがドングリを拾い育てた苗を売るなどして得た。このいきさつを紹介する絵本「ぼくはどんぐりピアノ」が完成した。

 同小によると、同小と、隣接する三体中にグランドピアノがなかった。そこで当時の教員が、ドングリを拾って苗に育て、植林して購入することを発案。1952年11月、両校の児童、生徒らが山に遠足に行って約200キロ・グラムのドングリを拾い、同小の校庭と農園にドングリを植え、約5万本のクヌギの苗に育てた。

 苗の販売代、作業代と、植林に伴う補助金が得られ、ヤマハ製グランドピアノを購入。54年10月1日に同中の講堂に置かれた。「どんぐりピアノ」として親しまれ、同小も入学式や卒業式などで使った。68年に同中が閉校した後は同小に移された。

 この経緯を伝えようと2000年に保護者と図書館司書補が半年をかけ、水彩画で描きニスを塗った大型絵本(閉じた状態で縦約80センチ、横約60センチ)を作った。

 改めて多くの人に知ってもらい、ピアノの維持を図ろうと18年11月、霧島市出身のピアニストや同小近くの旅館経営者、校長らによる「どんぐりピアノの会」(入来慶子会長)が発足。今回の絵本の作成を決めた。

 大型絵本の絵をデジタルカメラで撮影。絵本は、「やあ みんな! ぼくの名前はどんぐりピアノ」で始まり、「みんなが ぼくの周りに 集まって 一緒に歌ってくれる時が 最高にうれしいのさ。 これからもぼくのこと 大事に なかよくしてね。」とピアノの言葉を載せた。

 山下佳子よしこ校長(54)は「今も現役で音を奏でているのは携わってきた方が守ってきたからだと思う。多くの人にピアノの奇跡を知ってもらいたい」と話している。

 同小に伝わる「どんぐりピアノの歌」を歌いやすくアレンジして1月に収録した児童の歌声や、図書館司書補による絵本の朗読が入ったCDが付いている。どんぐりピアノの歌は、ピアノ購入後、当時の教頭が作詞、音楽担当の教員が作曲した。

 A4判、36ページで1000冊を発行。1冊1000円(税込み)。三体小で10月から販売している。問い合わせは同小(0995・76・0301)へ。

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913466 0 ニュース 2019/11/23 05:00:00 2019/11/23 05:00:00 2019/11/23 05:00:00 「どんぐりピアノ」と絵本を持つ山下校長(左)ら https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/11/20191122-OYTNI50023-T.jpg?type=thumbnail

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