ウミガメ産卵 昨年735回増 上陸も1479回増 前年比
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昨年の県内でのウミガメの産卵・上陸回数が前年より増えていたことが、県の調査で分かった。ウミガメの生態には不明な点も多く、県は増加の理由を「不明」としているが、近年は減少傾向だっただけに、関係者は「産卵地での地道な保護活動が増加に結びついたのではないか」と話している。
県内は、絶滅危惧種のアカウミガメやアオウミガメなどの国内有数の産卵地として知られている。
調査は、産卵期に当たる昨年4~9月、海岸を有する39市町村を対象に環境省や保護団体が確認した産卵・上陸回数を県が集計した。
県によると、昨年の産卵回数は前年より735回多い1981回、上陸回数も1479回増の3640回だった。ただ、集計した産卵・上陸回数は保護団体などの監視報告に基づいており、ウミガメの生態にも不明な点が多いことから、県自然保護課の担当者は「前年と比べて増加した理由は分からない」と説明している。
2007年に3437回だった県内の上陸回数は、12年には8845回にまで増加。ところが、15年は前年より半減し3511回に。18年と19年は2000回台で推移していた。
NPO法人・屋久島うみがめ館(屋久島町)によると、ウミガメは世界中の海を回遊するため、海外での乱獲が上陸回数の減少に影響を与えているという。
同館の日高俊郎代表は「各地域の地道な保護活動で何とか減少を食い止めている印象だ。国や県も参加しマイクロチップによる位置追跡といった全県的な調査も検討すべきだ」と語っている。