桜丘高出身 阿波野秀幸さん

公立校からプロ使命感 「打倒私学」他校のデータ収集

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「桜丘で反骨心が養われた」と話す阿波野さん(川崎市多摩区で)
「桜丘で反骨心が養われた」と話す阿波野さん(川崎市多摩区で)

 愛甲猛投手(元ロッテなど)を擁する横浜が、東東京代表の早稲田実業の荒木大輔投手(元ヤクルトなど)との投げ合いを制し、全国制覇を果たした1980年。この年、横浜市立桜丘の門をくぐったサウスポーがいた。近鉄(現・オリックス)や巨人などで活躍した阿波野秀幸さん。「打倒私学」を胸に、強敵に立ち向かった。

 鶴ヶ峯中学校(横浜市旭区)の3年だった時、東海大相模から誘いがありました。学校に話があったそうです。中学の時は注目されるほどの成績は残していないし、ほとんど試合でも投げていませんでした。(強豪校で)自分を試すというより、勉強もしっかりやりたいと思っていた。地元で所属していた少年野球チームの監督が桜丘の卒業生だったこともあり、受験することにしました。

 《1980年に桜丘に入学。私学と違い、練習環境は限られていたが、緻密ちみつな戦力分析と泥臭い練習でその差を埋めた》

 平日の練習時間は放課後から午後7時まで、陸上部などと同じグラウンドで練習していました。打撃練習は危ないから、バントや牽制けんせいといった小技の練習に時間を割きました。

 今の時代ほどではないですが、捕手が他校の試合を見に行ってデータを集め、(打者を)シミュレーションしました。グラウンドに照明がなかったので、暗くなるとボールに石灰をつけて体育館の明かりを頼りにノックを受けましたね。

 2年の夏の県大会が終わると、監督に「走り込むぞ」と言われ、後輩にカバンを預け、学校から自宅近くの駅まで毎日走りました。

 当時は、体の線が細いことがコンプレックスでした。横浜スタジアムで行われた県大会の開会式で、強豪私学の選手と体格の違いを感じました。少しでもごつい体に見せるため、アンダーシャツを重ね着したり、タオルを入れたりしましたね。

 《81年秋の県大会で、荒井直樹さん(現前橋育英硬式野球部監督)、山本昌さん(元中日)を擁する日大藤沢を倒した。自信を深めて最後の夏に臨んだが、4回戦で日大に敗戦した》

 1対1で迎えた九回、甘く入ったカーブを打たれました。センターからボールが返ってきて、審判の判定はセーフ。周りはこれからだと言っていましたが、力が抜けてしまった。日大とは過去に公式戦や練習試合で対戦し、いずれも勝っていた。甘く見ていたわけではないですが、対策を練っていたのでしょう。(もっと勝ち上がれるという)空気もあったので、一番悔しい試合です。

 私学で野球をやれば良かったという後悔はありません。有意義な高校時代でしたが、甲子園に手が届く高校で野球をやってみたかったという思いもありました。

 桜丘はプロになる基礎をつくってくれた場所です。亜細亜大に進学し、厳しい練習に耐えられる体をつくることもできました。桜丘からプロになり、その道をつくるという使命感もありました。簡単な気持ちでやめられないし、諦めてはいけないと思っていました。

 球児たちには、積み重ねてきた技量を発揮してほしい。勝負なのでどちらかが勝ち、どちらかは負けます。全てを出し尽くし、すがすがしい気持ちで終われるようにプレーしてほしいと思っています。

 あわの・ひでゆき 1964年横浜市生まれ。桜丘で1年からエースを務め、亜細亜大では東都大学リーグ通算32勝を挙げた。86年のドラフトで1位指名を受け、近鉄に入団。プロ1年目に15勝を挙げ、最優秀新人賞を受賞した。89年は19勝で最多勝を獲得し、近鉄をリーグ優勝に導いた。巨人、横浜でもプレーし、2000年に現役引退。現在は巨人の三軍投手コーチを務める。

無断転載禁止
30388 0 あの夏 2018/07/01 05:00:00 2018/07/01 05:00:00 「公立校で結束力や勝つための智恵を絞った野球を学んだ」と話す阿波野さん(川崎市多摩区で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180703-OYTAI50002-T.jpg?type=thumbnail

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