ターミナル整備、イベント…

進む国際化街にぎわう

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横浜港大さん橋国際客船ターミナルには度々、大型客船が同時に寄港(横浜港振興協会提供)
横浜港大さん橋国際客船ターミナルには度々、大型客船が同時に寄港(横浜港振興協会提供)

 みなとみらい21(MM21)に接する横浜港大さん橋国際客船ターミナルに今月16日、定員2000人規模の大型外国客船2隻が並んだ。「昔はこんな大きな船は来なかった」。1963年(昭和38年)から付近で営業するレストラン「スカンディヤ」のオーナー浜田八重子(88)は船を見上げた。大さん橋は1894年(明治27年)に完成し、1964年の東京五輪に合わせてターミナルが整備された。平成に入って新ターミナルが建設され、2002年(平成14年)に今の姿となった。屋上の床はウッドデッキ仕様、天然芝も敷き詰め、眺望に配慮して高さは約15メートルに抑えた。「デザインがすてき。ロマンのある港」。浜田もお気に入りのターミナルは、船で近づくと背後にMM21、山下公園が広がり、渡航する外国人にも好評だ。平成の改修でCIQ(税関、出入国管理、検疫)施設を従来より1000平方メートル広げ、昨年の入港数は過去最多の178回。02年の約2倍となり、平成で国際化は確実に進んだ。

 「祈りの部屋がないと、どうしても困る」。新ターミナルが完成した02年の日韓サッカー・ワールドカップ(W杯)。日本組織委員会に加わったパシフィコ横浜の馬鳥誠(56)は、観戦に訪れたイスラム教徒に懇願され、試合会場の横浜国際総合競技場内に急いで礼拝用の部屋を用意した。パシフィコ横浜では国際会議の誘致担当。「W杯で学んだノウハウを国際化に生かさなければならない」。国際会議時には礼拝スペースを設け、案内表示の多国語化も進めた。意識は周辺にも広まり、ホテルはイスラム教徒やベジタリアン向けのメニュー作りに続々と乗り出した。

 横浜港大さん橋国際客船ターミナルは客船の増加や大型化で、ここ数年は臨時のCIQ施設を設けるほどの過密ぶりとなった。分散を図ろうと、現在、MM21の新港地区で新ターミナル建設が進む。かつてはふ頭で荷が行き交い、今では人気の観光スポットだ。その中心となる横浜赤レンガ倉庫は、明治・大正時代に税関の保税倉庫として建てられ、横浜市が1992年、MM21の開発の一環で整備を始めた。市港湾局の主査だった内藤恒平(67)は、活用方法を模索して各地のレンガ造りの施設を訪ね、倉庫を改装した東京・新橋のビアホールでひらめいた。音楽に合わせて、楽しげに踊る人々。「これだ。いろんな人が集まれる場所だ」。倉庫を商業文化施設として再生し、一帯を広場にして様々なイベントを開催する方向性を打ち出した。昨年のイベント数は約60回、約200日間にわたり、国際色も豊かだ。2003年に始まったオクトーバーフェストは、横浜みなとみらい21の専務だった内藤惇之(78)らがドイツのビール祭りにヒントを得て仕掛けた。「MM21に客を増やす努力を絶えず続けなければならない」

新港ふ頭に完成予定の新客船ターミナルのイメージ。ハンマーヘッド(右)がシンボルだ(野村不動産提供)
新港ふ頭に完成予定の新客船ターミナルのイメージ。ハンマーヘッド(右)がシンボルだ(野村不動産提供)

 新たなターミナル建設事業には、地元の企業がこぞって手を挙げた。「横浜の新しい顔。なんとしても地元の企業でやりたい」。横浜岡田屋の社長岡田伸浩(65)が旗振り役となり、横浜を中心とした企業グループが、「体験型」を取り入れた商業施設、ホテルを併設するプロジェクトを手掛ける。先端には、かつてふ頭で活躍した歴史遺構「ハンマーヘッド」。金づちに似た形状で、港の男たちに親しみを込めてそう呼ばれた荷揚げ用のクレーンがシンボルとなる。オープン予定は来年。「まだMM21は変わっていく。人を呼び込める楽しい施設にしたい」。にぎわい創出への挑戦は続く。

(敬称略)

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