少子化進む学校統廃合

[読者会員限定]
無断転載禁止
メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 統一地方選は21日告示の知事選を皮切りにスタートする。4年に1度の戦いでは、人口減や少子化、産業振興などの施策を巡って舌戦が繰り広げられる見通しだ。今、県内の自治の現場で起きている課題を検証する。

地域の絆弱まる懸念も

 がらんとした教室に元気な声が響いた。「Where did you go yesterday?」。2月下旬、横浜市立野庭中学校(横浜市港南区)の1年2組で行われた英会話の授業。40人が学べる教室には16人の机と椅子が窓寄りに並び、廊下側の半分以上はぽっかりと空いていた。同校は1学年が2学級で、一般学級の生徒数は164人。3学年合わせ8クラス以下の「小規模校」だ。

 生徒の全員が近くの市立野庭すずかけ小学校の出身で、幼なじみ。「小学、中学の9年間を共に過ごすことで、密接な関係が築ける。ただ、どうしても人間関係が狭くなりがちになる」。湊浩一校長は指摘する。

 部活動もすでに引退した3年生を除けば部員は計100人ほど。保護者からは「レギュラー争いなど切磋琢磨せっさたくまする機会がない」との声も上がる。

 周辺は少子化が進み、地域住民や保護者らは2018年5月から近隣の学校との統合も含め話し合いを続けた。横浜市教育委員会は昨年11月、保護者らの意見を踏まえて閉校を決めた。20年度には約1・5キロ離れた市立丸山台中学校と統合する。

 湊校長は「生徒は不安に感じるだろうが、人間関係の広がりは子供たちの可能性を広げるチャンスになる」と複雑な心境ながらも期待を寄せた。

 県内でも少子化は深刻だ。増加を続けた横浜市の人口も、今年で過去最高の374万人(1月1日現在)に達し、今後は減少に転じると推計されている。年少人口(0~14歳)は1980年代からすでに減少傾向にあり、79年の約67万人と比べて2018年は約45万人にとどまる。

 市教委によると、市立小学校の児童数もピークだった1980年度の28万6617人に対し、2018年度は18万907人。市立中の生徒数も1986年度の13万6249人から2018年度は7万7334人まで減少した。

 市は児童・生徒の減少などを受け、適正な学校規模を示した基本方針を03年に策定し、各地の地元住民らと調整しながら統廃合の調整などを進めてきた。2018年度時点で野庭中のような小規模校は小学校で30、中学校で10あり、今後さらに増加する見通しだ。

 地域の核とも言える学校が消えれば、地域コミュニティーの機能が低下すると懸念されている。横浜市港南区で街づくりを支援する事業を手掛ける「イータウン」(同区)の代表取締役の斎藤保さん(51)は「コミュニティーの核が減って地域のつながりが弱くなっている」と話す。

 少子化によって自治会や商店街の後継者不足も進み、斎藤さんは14年前、同社の拠点「港南台タウンカフェ」をオープンした。高校生から商店街の店主ら様々な世代が集って交流し、商店街や自治会を担うような若者が育ってきた。

 斎藤さんは、「新たな担い手層を厚くすることで、地域の拠点を作りたい。人口減の一歩先を考えられる場所にしたい」と話した。

 (佐藤竜一、谷口剣太)

472971 1 かながわ 自治の現場 2019/03/05 05:00:00 2019/03/05 05:00:00 2019/03/05 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/03/20190304-OYTAI50010-T.jpg?type=thumbnail

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
発言小町
OTEKOMACHI
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
The Japan News
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
読売新聞社からのお知らせ