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(下)虎視眈々狙った好機 現職支持広がり不透明

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3期12年の実績をアピールし、4選出馬を表明した林市長。会場には支持者の地元経済人らも駆けつけた(15日、横浜市役所で)
3期12年の実績をアピールし、4選出馬を表明した林市長。会場には支持者の地元経済人らも駆けつけた(15日、横浜市役所で)

 美しい港を見下ろす高層ビルに生まれ変わった横浜市役所で15日夕、その あるじ が、ついに出馬を表明した。現職の市長、林文子(75)だ。配られた資料には「コロナ禍を乗り越え、経済を再生し、豊かな市民生活と活気ある横浜を必ず取り戻します」とつづられていた。

 現職が続投を目指して立候補した横浜市長選は過去30年に6回あった。出馬表明のタイミングは平均で、告示の58日前。これに対し、今回の林は24日前だ。すでに8人が名乗りを上げている。だが、林にとっては〈出遅れ〉ではないのだろう。出馬を決意したのは「昨晩です」と語った表情にはむしろ、〈真打ち登場〉と言わんばかりの余裕すら漂っていた。

 関係者によると、現在3期目の林は、3月下旬に自民党市連幹部と面会した時点で、すでに4選出馬の意欲を示し、5月頃には公約づくりに着手していたという。ただ、表舞台では前のめりの気配を消し去り、記者会見で意向を問われても、「コロナ対策に集中している」などとはぐらかした。

 注視していたのは、最大の後ろ盾だった自民の動向だ。その自民に6月上旬、高齢や多選を理由に「決別」を告げられたが、それでも林は身を引こうとはしなかった。自民の候補者擁立が難航しているのを見て取っていたのだ。

 潮目を変えたのは、自民の前国家公安委員長・小此木八郎(56)の出馬表明だった。IR(カジノを含む統合型リゾート)関連法案の成立に賛成してきた小此木が、横浜誘致の「取りやめ」を打ち出したことで、自民が割れた。

 これなら、IR賛成派の市議らの支援も見込める――。満を持して勝負に出た林は出馬会見で、IR推進を改めて明言した。そのうえで、「行政はワンイシュー、一つの事柄で語ることはできない」と述べ、3期12年の実績をアピールした。

  虎視眈々こしたんたん と機をうかがい、注目を引きつけて舞台に上がった林。ただ、ここから先も、読み通りに事が運ぶとは限らない。小此木ではなく、林につく自民の市議がどれだけいるか。地元経済界の支持者も、IR実現の際に、恩恵を受けやすいとみられるエリア、業界にとどまっている。

 にわかに熱を帯びてきた選挙戦も、5月までに立候補の意向を明らかにしていたのは2人だけだった。だが、6月以降、一転して出馬表明が相次いだ。自民、立憲民主党がともに候補者選びで足踏みし、林も進退を明示しなかった状況が「有力候補不在=チャンスあり」の空気感を広げたとの見方もある。

 立候補予定者はさらに増える。前知事の参院議員・松沢成文(63)も参戦する構えだ。

 林の出馬会見に先立ち、読売新聞の取材に応じた松沢は、経済人らから出馬の要請を受けているとしたうえで、「週末までには判断する」と説明。市長選について、「郊外部の広範な浮動票が取れないと勝てない。与党でも野党でもない『第3極』に期待感があれば、そこに票が集まる」などと分析してみせた。関係者によると、松沢はすでに「反IR」を含む政策をまとめているという。

 立候補予定者の顔ぶれは見えてきたが、現状、抜きんでた存在はいない。それだけに、業界団体などの間では、勝ち馬に乗りたいとの思惑もうごめく。

 IR予定地の山下ふ頭に拠点を置き、誘致に反対してきた横浜港ハーバーリゾート協会は、立民が擁立した元市立大教授・山中竹春(48)支援で動いてきた。しかし、小此木がIR取りやめを掲げたことで、協会内部からは「自民との対立軸も、山中を支える大義名分もなくなった」との声も漏れる。

 混戦の行方は見通せない。

(敬称略)

(この連載は、藤亮平、田ノ上達也、樋口貴仁が担当しました)

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2210558 0 混戦 横浜市長選 2021/07/16 05:00:00 2021/07/16 05:00:00 2021/07/16 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210715-OYTAI50018-T.jpg?type=thumbnail

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