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(上)自民「仲間」か「政策」か IR誘致是非党に亀裂

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総務会後、取材に応じる梶村幹事長。「ブレない」と書かれた菅首相のポスターが掲げられていた(11日、自民党横浜市連会館で)
総務会後、取材に応じる梶村幹事長。「ブレない」と書かれた菅首相のポスターが掲げられていた(11日、自民党横浜市連会館で)
出馬表明の記者会見で「IR取りやめ」を訴えた小此木氏
出馬表明の記者会見で「IR取りやめ」を訴えた小此木氏

 8月22日投開票の横浜市長選は、かつてない激しい戦いとなりそうだ。すでに史上最多ペースの8人が名乗りを上げ、現職市長らも近く出馬表明する。「負けられない」「勝ち馬に乗らねば」――。次期衆院選にも影響を与えるとみられる県都の戦いを前に、様々な思惑が交錯している。

 11日午後、自民党横浜市連会館の会議室。市連幹部の市議や県議ら総務会メンバーの約20人が険しい表情で長机を囲んでいた。議題は、国家公安委員長を辞任して出馬する前党県連会長の小此木八郎(56)への対応だった。

 小此木は、ともに衆院議員を務めた祖父・歌治氏、父・彦三郎氏を継ぐ神奈川自民の実力者。地元の市長選に打って出るとなれば、党を挙げて支援する方がむしろ自然だ。

 しかし、その小此木が党内の結束に亀裂を入れる。閣僚を辞任しての異例の出馬に際し、「市民の信頼を得られていない」として、横浜へのIR(カジノを含む統合型リゾート)誘致の「取りやめ」を突如明言したのだ。

 IRを観光立国への重要施策と位置づける政府方針の下、自民の市議らは市のIR誘致に賛成し、IR推進を訴えて、地元経済界の支援を取り付けてきた。そんな市議らにとって、小此木の発言は〈不意打ち〉に等しかった。

 「IR反対では(小此木を)推薦できるはずがない」。そう主張する市議らに対し、県議らは「閣僚を辞め、不退転の決意で出馬するのに、なぜ支援できないのか」と迫った。裏では、「親分(小此木)が白と言うなら、黒でも白と言えないのか」と、怒りをぶちまける県議もいた。

 総務会は約1時間に及んだ協議でもまとまらず、市連会長の官房副長官・坂井学(55)に判断が一任された。坂井が選んだのは、党を挙げて小此木を支える「推薦」ではなく、各議員が自由に支援候補を選ぶ「自主投票」だった。

 散会後、市連幹事長の市議・梶村充(72)は「それぞれの立場で選挙をするが、終わった後は今まで通り『ノーサイド』だ」と語った。ただ、その実は、尾を引く内部分裂を回避しようという玉虫色の決着だ。

 市議会でも最大勢力を誇る自民が、なぜこうも迷走したのか。3月下旬から本格化した市連の候補者選びに当初、危機感は見られなかった。しかし、大学教授らの名前が浮かんでは消えを繰り返し、時間が過ぎた。お膝元の首長候補について、菅首相の「一声」が響くこともなかった。

 それでも市連は6月上旬、過去2度の市長選で支えた現職の林文子(75)に対し、高齢や多選を理由に、今回選挙では支援しない方針を伝えていた。小此木とは別の国会議員らが浮上しており、絞り込みを急ぐつもりだったのだ。だが、林との面会の1週間後、小此木がまさかの「反IR」を掲げて動き、市連の焦りは混乱へと変わった。

 自主投票となり、一部の市議は、いったん「決別」を告げた林の支援に回る見通しだ。市連内部が「仲間」の小此木をとるか、「政策」を貫いてIR誘致を進めてきた林につくか――で分かれることになる。

 「小此木、林のいずれかが勝てば、我々は負けではない」。そんな声もあるが、あるベテラン市議は「こんな体たらくは初めてだ」とため息をつく。(敬称略)

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2210619 0 混戦 横浜市長選 2021/07/14 05:00:00 2021/07/14 05:00:00 2021/07/14 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210715-OYTAI50024-T.jpg?type=thumbnail

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