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共生慰霊碑に誓い 相模原殺傷5年 やまゆり新園舎で追悼式

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追悼の辞を述べる大月会長(20日、津久井やまゆり園で)=代表撮影
追悼の辞を述べる大月会長(20日、津久井やまゆり園で)=代表撮影

 相模原市緑区の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」で20日、5年前の殺傷事件で犠牲となった19人の追悼式が行われ、慰霊碑「鎮魂のモニュメント」が公開された。慰霊碑前の献花台には犠牲者のうち7人の名前が、遺族の同意の下で刻まれた。追悼式の参列者や献花に訪れた人たちは、19人の 冥福めいふく を祈って花を手向け、差別のない世の中に、ともに向かおうと誓った。

 追悼式は昨年、コロナ禍で中止に。2年ぶりとなった式は、建て替え工事を終えて今月開所したばかりの新園舎で行われた。祭壇には、園の入所者が折り紙で作った19色のヤマユリの花束や犠牲者をしのんで描いた絵が並んだ。

 家族会の大月和真会長(71)は「この5年間、あの日の 凄惨せいさん な光景と途方もない混乱、 喧騒けんそう が脳裏を離れることはなかった。あなた方のことを決して忘れない。いつも空から見守ってくれているとの気持ちで前を向いていく」と追悼の辞を述べた。

 黒岩知事は「さくらんぼ狩りを楽しんでいたあなた」「盆踊りの炭坑節が好きだったあなた」などと、19人の在りし日の姿を紹介。植松 さとし 死刑囚(31)が口にした「重度障害者は生きている意味がない」との言葉を挙げ、「いかに独善的で、デタラメかを証明するためにも、私たちは、誰もがその人らしく暮らせる社会を実現しなければならない」と語った。

 追悼式後にも、関係者らが続々と園を訪れ、正門近くの交流広場に設置、公開された慰霊碑に献花した。

 事件で重傷を負った尾野一矢さん(48)の父・剛志さん(77)は、黒御影石でつくられた円形の水鏡の慰霊碑と、献花台に刻まれた7人の名前を見つめ、「(刻銘したことにより)ご遺族は『自分の家族がここにいたんだ』ということを証明した」と話した。

 園の元職員で、事件の語り部活動を続けてきた太田顕さん(78)は「かけがえのない鎮魂の碑。ここを原点にして、活動を続けていきたい」と決意を新たにしていた。

 「県重症心身障害児(者)を守る会」の会長、谷口久美さん(74)も川崎市から足を運んだ。「裁判もあり、障害を持つ子の親として考えさせられる、重みのある5年だった」と振り返りつつ、「五輪や新型コロナが続くなか、だんだん忘れられていくのではないかと心配」と語った。

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2222885 0 ニュース 2021/07/21 05:00:00 2021/07/21 05:00:00 2021/07/21 05:00:00 追悼の辞を述べる大月会長(相模原市緑区、代表撮影で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/07/20210720-OYTNI50046-T.jpg?type=thumbnail

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