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万博負担増600億円 困惑…見えぬ全体像

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面会を終えて質問に答える(右から)吉村大阪府知事、井上万博相、松井大阪市長(11日、大阪市役所で)=前田尚紀撮影
面会を終えて質問に答える(右から)吉村大阪府知事、井上万博相、松井大阪市長(11日、大阪市役所で)=前田尚紀撮影

 2025年大阪・関西万博の会場建設費が当初想定されていた約1250億円から、最大で1・5倍、約1850億円に膨らむことが11日、明らかになった。近年の資材費や人件費の高騰に加え、7月に決まったプロデューサーの意見を踏まえて新たな施設の整備費などが反映されたためだが、約600億円もの負担増に地元では戸惑いも広がった。

 会場建設費は増加分も含めて国と大阪府・大阪市、経済界の3者が3分の1ずつ負担するため、それぞれの負担額は、当初の約400億円から約200億円増えて、約600億円となる。

 万博の運営組織「日本国際博覧会協会」は、年内にも策定する会場の施設規模などを定めた「基本計画」に盛り込む考えだ。

 井上万博相は11日夕、大阪を訪れ、大阪市役所で松井一郎市長、吉村洋文知事と面会し、会場建設費の増額について説明。「可能な限り、コスト削減を行ったが、精査した結果、当初より600億円増額となった」と述べ、理解を求めた。

 これに対し、吉村知事は「(会場建設費の)増加の話はこれで最後に」と注文。松井市長は、「(万博で)コロナ後の日本の経済をV字回復するための投資との認識を持っている。議会にも丁寧に説明していく」と応じた。

◇大規模開発

 なぜ増額となったのか。

 会場建設費には、会場予定地の造成費や上下水道などの整備費、パビリオンの建設費などが含まれる。

 国などは万博の誘致開始前の17年に約1250億円と試算したが、市内では万博が開幕する25年までの間に大規模開発が相次ぎ、資材費や人件費の高騰が懸念されており、協会が再試算していた。

 協会によると、資材費や人件費などの上昇率は、近年の高騰を踏まえ、17年試算時の年1・1%から1・5%に変更。

 約600億円の内訳は、▽暑さ対策のドライミストやトイレ棟など、利便性向上のための施設整備(約320億円)▽会場にかかる「大屋根」の設計変更(約170億円)▽日本庭園や物販施設など、多くの国や事業者の参加を促す施設整備(約110億円)となっている。大屋根については、プロデューサーの意見を踏まえ、雨よけや日よけに大屋根を大きくするなどしたという。

 ただし、大屋根がどのように変わるかなど、具体的な変更の全体像はこの日は明らかにされず、協会側は「(今後の)基本計画で示す」としている。

◇不透明感

 大幅な増加には、万博を推進する自民党内からも「驚いた」との声が出た。

 自民市議は「増額の根拠が不透明で、説明は不十分。今回の増額だけで本当に済むのかという不安がつきまとう」と指摘した。

 井上万博相は11日の記者会見で「今回の金額は上限だと考えている」と述べたが、計画が固まる中で、新型コロナウイルスの感染防止対策など新たな負担が必要になる可能性もあり、想定内に収まるかは不透明だ。

 関西の経済界からは、大阪商工会議所の尾崎裕会頭が「魅力ある会場の実現に必要な費用」と理解を示すコメントを発表。だが、新型コロナで業績が悪化している企業は多く、「関西企業では寄付への負担感が強まっているのが本音」(財界関係者)だ。

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1695926 1 2025大阪・関西万博 2020/12/12 05:00:00 2020/12/12 05:00:00 意見交換を終えて質問に答える(左から)大阪市の松井市長、井上万博相、大阪府の吉村知事、(11日午後5時52分、大阪市役所で)=前田尚紀撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201212-OYTAI50001-T.jpg?type=thumbnail

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