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府市対立解消 現行制度で

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(4)元大阪市議 柳本顕氏

 住民投票で大阪都構想が否決されたのは、「大阪市のことは、自分たちで決めたい」という市民の意思の表れだ。

 5年前の住民投票では前面に立ったが、今回は現職の議員でもなく、できることをやるスタンスで集会やネットで反対を訴えてきた。

 自民党は前回、共産党など他党と街頭に立つこともあったが、一緒に活動すれば、支持層の票が減るだけ。支持層を固めつつ、無党派層に主張を広げる方が重要だと考えた。今回はバラバラに戦ったことが、良い結果につながった。

 ただし、自民の活動の成果と喜んでいてはダメだ。大阪府・市の両議会で地域政党・大阪維新の会が第1党という構図は変わっておらず、我々が何もしないでもいいというわけでは決してない。私自身、市議だったときに、府議会のみなさんと一緒に大阪全体のあるべき姿を議論してきたかと問われると、そうではなかったという反省がある。

 都構想には一貫して反対してきたが、広域的な戦略の一本化や住民に身近な行政の実現の必要性については、維新と同じ課題認識を持っている。

 しかし、都構想は大阪市の廃止・分割という莫大ばくだいなコストがかかる。広域行政の一元化や二重行政の解消は、お金をかけなくてもできるというのが持論だ。維新が「バーチャル都構想」と呼ぶ知事と市長の良好な関係があるなら、それをずっと続ければ、お金をかけなくても目的は達成できる。

 維新は、知事と市長が対立すれば物事が進まなくなると言うが、立場は違うので、意見の違いはおのずと出てくる。都構想のように、その意思決定を独裁的に知事に一元化するのではなく、両首長の話し合いで一本化する方が、住民にとって、より良い政策が生まれ、多くの人が賛同できる都市像をつくれる。

 対立があれば調整すればいい。対立があるから物事が前に進まない、という維新の発想は稚拙だ。

 こう言うと「対案を出せ」と言われる。我々は、「最大の対案は、制度論ではなく、新型コロナウイルス対策であり、経済対策だ」と言いたい。都構想が提唱されて以来、大阪は制度論を巡る政局に明け暮れてきた。

 実現を目指す事業があり、制度が足かせとなっているなら変えれば良いが、市を潰さないとできない事業などない。今は新型コロナの感染が拡大しており、制度論を優先すべきではない。

 松井一郎市長が来年2月議会に議案を出すという、区役所の権限を強化する「総合区」については、昨年の知事・市長のダブル選や統一地方選では、どの政党もほとんど主張していなかった。案を固め、次の市議選で民意を問えばいい。

 現行制度でできることはたくさんある。二重行政の弊害が生じたなら、地方自治法で設置が義務づけられた道府県と政令市の協議の場となる「調整会議」で対応できる。副首都推進局のように、府と市で共同設置する組織が共同事業を推進することもできる。

 2025年には大阪・関西万博が控えており、今後は神戸や京都と協力し、関西全体で成長戦略の絵姿を描いていかないといけない。それを主導するのは、政権与党であり、他都市にも多数の議席を持つ自民の役割だ。(聞き手・梅本寛之、おわり)

 やなぎもと・あきら 46歳。1999年、大阪市議選の補欠選挙で初当選し、自民党市議団幹事長だった2015年の前回住民投票で、都構想の反対派を牽引(けんいん)。その後、2度の大阪市長選に出馬し、いずれも大阪維新の会の候補に敗れた。現在、自民党大阪3区支部長代理。

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1674167 0 ポスト都構想を考える 住民投票から1か月 2020/12/04 05:00:00 2020/12/04 05:00:00 大阪都構想の住民投票について語る元自民党市議の柳本顕さん(17日、大阪市役所で)=里見研撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/12/20201204-OYTAI50000-T.jpg?type=thumbnail

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