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「ケアラー」社会で支える

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岡山・総社で条例制定 全国4例目 

 

 家族など身近な人の介護や世話を無償でする「ケアラー(介護者)」を社会的に支援していこうという体制づくりが、自治体で徐々に広がってきている。岡山県総社市の市議会で9日、「ケアラー支援条例」が可決され、全国で4例目となった。条例化以外にも18歳未満の「ヤングケアラー」への対応のため、新たな部署や相談窓口を設けるなど各地で取り組みが進む。(岡信雄、編集委員・橋本直人) 

 

■誰もが介護者に 

 総社市は今年、小中学校での状況を確認したところ「休みがちだったり宿題ができていなかったり、家族の世話などが理由で教育上の影響が出ている」と疑われる事例が4件あった。市こども課が保護者と面談、必要な場合、公的サービスにつなぐなどしてきた。

 こうした事例を受け、条例では市や学校、市民、関係機関などが理解を深め、支援にあたる役割を定めたうえで、相互に連携しながら「ケアラーが孤立することのないよう社会全体で支える」とうたっている。 

 市は「障がい者千五百人雇用」を掲げて障害のある市民の就労や、ひきこもりの人への支援に力を入れてきた。「これまで『支えられる側』の人に焦点をあててきたが、『支える側』の介護者がしんどいのではという思いがあった」と吉田啓・保健福祉部長は話す。

 自治体が「支える側」に着目するのはなぜか。昨年3月に全国で初めて条例施行した埼玉県のケアラー支援計画では、今後の高齢者の急増が挙げられている。 

 計画によると、同県内の推計では介護のニーズが高まる85歳以上の人が2040年には今の2倍超に。これに伴って誰もがケアラーになる時代を迎えるが、家族が介護するのは当たり前という考え方はまだ根強く「悩みを声に出しにくくなっている」と指摘。障害や疾病のある家族らの介護を含め、相談体制の整備や、支援を担う人材育成などに取り組むとしている。 

 

 

 

■分野多岐 

 条例以外に体制づくりに積極的な自治体もある。 

 鳥取県は4月、ヤングケアラー支援の相談窓口を3か所開設。ほかに民間への連携補助事業としてLINEによる夜間・休日の相談も8~9月、試行中だ。 

 このLINE相談を運営する介護サービス会社(鳥取県米子市)代表で、看護師の 神戸かんべ 貴子さんは、両親が共働きの家で祖母の介護をしている生徒らとやりとりを重ねている。「学校と介護、家事を両立するのは大変なこと。相談しやすい環境を作ることで悩みを伝えてほしい」と、自身も介護と子育ての両立に苦悩した経験から呼びかける。 

 一方で医療や福祉、教育、子育てと多岐の分野にわたるため庁内の連携の難しさを挙げる自治体も少なくない。こうした中、神戸市は4月、「こども・若者ケアラー支援担当課長」を新設。全体の連絡・調整をしながら取り組んでいる。 

 

◇支援受ける権利を 日本ケアラー連盟代表理事 児玉さん 

 日本ケアラー連盟代表理事の一人で、重症心身障害のある長女(34)をケアしてきた児玉真美さん(64)(広島県呉市)に聞いた。 

 介護はよく「家族がして当たり前」「家族愛があれば」といった話になります。これでは介護者は心身の限界を超えているのに封印し頑張り続けるしかないと自分を追い詰めてしまう。 

 一方、例えば英国では法整備が進み、介護者は自分の状態やニーズについて、自治体にアセスメント(介護の影響の評価)を求め、その結果で支援を受ける権利が認められています。 

 介護が必要な人がいるから家族による介護を支えるのでなく、ケアラーも一人の人間として健康で文化的な生活を送る権利があり、それを支援する。日本でもそんな考え方の転換につながることを願っています。 

 

                      ◇

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2356138 0 ゆらぐ暮らし 2021/09/10 05:00:00 2021/09/10 05:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/09/20210910-OYTAI50013-T.jpg?type=thumbnail

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