USJ転売禁止厳しすぎ?…消費者団体申し入れ

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「定価の取引認めて」

 チケットの転売を一切禁止するテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」(大阪市)に対し、特定適格消費者団体が運用の見直しを申し入れた。購入枚数を間違えたり、急な都合で行けなくなったりしても原則キャンセルできず、「購入額と同程度での転売は、消費者の正当な権利だ」と主張。一方、買い占めや高額転売に悩まされてきたUSJは申し入れを拒否しており、団体側が対応の変更を求めて提訴する可能性もある。

■キャンセルも不可

 「誤って入場券を余分に買ってしまった」

 2016年9月、30歳代の男性から、特定適格消費者団体のNPO法人「消費者支援機構関西」(大阪市)に相談があった。

 USJでは、▽日付指定の入場券▽アトラクションの待ち時間を短くする優先券▽有料イベントの参加券――など、チケットが10種類以上もあり、男性は入場券付きのイベント参加券を購入したが、参加券だけと勘違いし、入場券をもう1枚買っていた。

 機構の村上博一弁護士は「USJは他のテーマパークと比べてチケットの種類が多く、購入時に間違いが起きやすい」と指摘する。

 USJの規約では、転売は一律禁止。キャンセルも原則認めていない。機構は昨年12月、規約の修正、削除を申し入れた。

 機構は、悪質な買い占めや高額転売は禁止されるべきだとの立場だが、誤って買った場合や、購入後に都合が悪くなり来場できなくなったケースを問題視する。転売できないと代金が無駄になってしまうからだ。

 申し入れ書では「チケットの所有権は客側にあり、法律上は自由に処分できる」とし、「転売の制限は消費者の利益を一方的に害し、消費者契約法に違反する」と指摘した。

■訴訟に発展?

 USJでは、14年7月に「ハリー・ポッター」のエリアがオープン。来場者が年々増える一方、転売目的でのチケット買い占め、オークションサイトやチケット仲介サイトでの高額取引が相次ぎ、約7000円のチケットが7倍の5万円で転売された事例もあった。

 チケットの値段が高騰すれば来場者が受ける不利益は大きいと、USJは15年11月から、転売サイトの売買状況を調べ、不正に転売されたものと判断した場合、チケット上のQRコードを無効にし、入場できないようにする対策を始めた。

 この結果、仲介サイトで年間10億円に上ったUSJのチケットの取引量が、100分の1に減ったという。

 USJは今年1月、機構の申し入れに「規約は消費者契約法違反にあたらない」と回答。今後、機構が規約の使用差し止めを求めて訴訟を起こす可能性もあるが、USJ広報室は「取材に応じることはできない」としている。

■広がる対策

 他のテーマパークや音楽業界でも転売対策が進む。

 東京ディズニーリゾートはUSJと類似の方法で、16年からネット上で転売されたチケットでの入園を断っている。人気アーティストのコンサートでも、チケットを購入した客に顔写真の登録を求め、来場時に本人確認を行うなど厳格な運用が定着しつつある。

 昨年12月にはチケット不正転売禁止法が成立。主催者の同意なしに定価より高値での継続的なチケット転売を禁じ、罰則(1年以下の懲役か100万円以下の罰金、または両方)も設けられた。

 対策強化には異論もある。仲介サイト「チケットストリート」(東京)の西山圭社長は「急に行けなくなった購入者が転売を考えるのは当然。健全な取引ができる環境は必要だ」と話す。

 音楽の業界団体やチケット販売大手は17年、公式の転売サイトを開設し、定価で転売する仕組みを設けた。劇団四季も同様の転売サイトを自ら運営している。

特定適格消費者団体

 消費者に代わって企業などに対し、不当な契約条項の使用差し止めのほか、悪質商法などによる金銭面の被害回復を求めて提訴することができる。国の認定が必要で、消費者支援機構関西など全国に3団体ある。

利便性とのバランスを

 チケット転売問題に詳しい福井健策弁護士(第二東京弁護士会)の話「USJの規約は新しい法律に比べ、制限が厳しい。悪質な買い占めや高額転売の対策は必要だが、ユーザーの利便性とのバランスを図ってこそ理解が得られる。都合の悪くなった購入者が定価以下で転売することは認めるべきで、公式サイトなどで転売できる仕組みも必要だ」

419622 0 ニュース 2019/02/02 15:00:00 2019/02/02 16:08:42 2019/02/02 16:08:42 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190202-OYO1I50005-T.jpg?type=thumbnail

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