大阪都構想議論 維新、公明4条件受け入れへ

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

 大阪市を廃止し、4特別区に分割する「大阪都構想」の大枠が固まってきた。住民投票にかける制度案を作る大阪府・大阪市の法定協議会の次回22日の会合で、地域政党・大阪維新の会が、公明党の求めるコスト抑制など4条件の全てに応じる見通しとなった。実現すれば、政令指定都市の初の解体となる都構想は、大阪市の代わりに、どのような〈都市のカタチ〉を提示するのか。

■ダブル選後一転

 「100点じゃないが、公明の求める形になった」

 今月5日の法定協終了後、大阪市の松井一郎市長(維新代表)は記者団を前に、今までの審議を満足げに振り返った。公明府本部幹部も「望んだことは盛り込まれた」と評価した。

 府・市の両首長と議員計20人で構成する法定協は2017年6月以来、今年3月までに23回開かれたが、維新は過半数を持たず、他党の反対で空転してきた。

 業を煮やした維新が4月に府知事、大阪市長のダブル選を仕掛けて勝利し、統一地方選でも圧勝。これにより「(都構想の経済効果は)ウソに近い」などと批判してきた公明が賛成に転じ、6月に法定協が再開されてからは次々と維新の提案に合意した。再開後はこれまで計5回会議が開かれ、年内に大半の項目が固まりそうだ。

 維新、公明で法定協、府・市両議会は過半数を占め、今後、合意内容が反映された制度案が住民投票にかけられるのは確実だ。

 スピード審議ぶりに他党からは「維新と公明で何でも決まっていく」(自民党市議)と嘆く声も出ている。

■合意事項は?

 制度案では、都構想の根幹となる、人口約270万人の大阪市の分割について、約60万~約75万人の「淀川」「北」「中央」「天王寺」の特別区とし、各区の本庁舎の位置も定まった。

 特別区は首長(区長)と議員(区議)のいる独立した自治体で、府が持つ私立幼稚園の設置認可やパスポート交付の業務は区に移譲。逆に大阪市の消防や上下水道事業の権限は府に移される。4特別区の議員定数の総数は、大阪市議会の定数83とすることになった。

 また公明が維新に求めた4条件――〈1〉コストの抑制〈2〉現在の区役所機能の維持〈3〉住民サービスの継続〈4〉全特別区への児童相談所(児相)設置のうち、児相以外はすでに合意済みだ。

 残る児相は22日に議論されるが、松井市長が4か所目の児相を26年度、鶴見区に開設すると既に表明。結果的に4特別区に1か所ずつ児相が配置されることになっている。22日には、松井市長が打ち出した25年1月の特別区移行についても議論されるが、公明は受け入れる方針で、いずれも「無風」で終了しそうだ。

■課題と今後

 議論が深まらないまま、残った課題もある。介護保険事業について制度案の原案は、4特別区が共同で設置する「一部事務組合」が担うとしている。

 公明は賛成に転じる前、「地域の実情を踏まえるべきだ」と、各特別区の業務にするよう主張していたが、転換後は意見を述べることなく、原案のまま了承した。

 コスト削減の合意事項では4特別区の新庁舎を建設せず、現在の大阪市役所を複数の特別区の「合同庁舎」とする案が採用されることになった。これにより、一部の特別区では、職員の多くが別の特別区の庁舎を間借りする事態となり、災害対応や日頃の政策決定に支障が出るとの声が出ている。片山善博・早大教授(地方自治)は「自治体の体をなしていない」と指摘した。

 府・市は、大枠で固まった制度案を基に早ければ年内にも国との事前協議を始め、来年2月からは住民向けに出前協議会(公聴会)を開催。同4~6月に制度案を決定し、夏頃、府・市両議会で可決する見通しだ。

 住民投票は秋から冬にかけて実施するとしており、具体的な実施時期は今後の焦点となる。

無断転載禁止
898316 0 ニュース 2019/11/14 06:00:00 2019/11/14 06:00:00 2019/11/14 06:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/11/20191114-OYO1I50000-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み_東京2020オリンピックパラリンピックキャンペーン

アクセスランキング

 


東京オリンピックパラリンピックオフィシャル新聞パートナー

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)
ページTOP
読売新聞社の運営するサイト
ヨミダス歴史館
ヨミドクター
The Japan News
発言小町
OTEKOMACHI
ささっとー
元気ニッポン!
未来貢献プロジェクト
YOMIURI BRAND STUDIO
美術展ナビ
教育ネットワーク
活字・文化プロジェクト
よみうり報知写真館
挑むKANSAI
読売新聞社からのお知らせ