感染爆発、近畿も警戒…大阪府は対策班
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東京都内で新型コロナウイルス感染者が急増する中、近畿の自治体でも、患者の爆発的な増加に対する警戒を強めている。
「いつ爆発的な感染拡大が起きてもおかしくない状況だ」。大阪府の吉村洋文知事は26日、府庁で記者団に対し、危機感をあらわにした。
大阪府のまとめでは、26日夜までの感染者計156人のうち、感染経路が不明のケースが47%の74人に上った。水面下で多数のクラスター(感染集団)が存在しても把握できず、爆発的な患者急増(オーバーシュート)を引き起こす可能性がある。このため、吉村氏は23日、庁内に危機管理監をトップとする対策チームの設置を表明した。
東京都の小池百合子知事らが不要不急の外出自粛を求めたことについて、吉村氏は「関西圏の人も、都知事の要請をくみ取って行動してほしい」と話し、東京などへの不要不急の訪問を避けるよう呼びかけた。
大阪市の松井一郎市長も26日、市内での飲食を伴う花見について、「どこで感染したかわからない患者が増えており、厳しい対応が必要」として自粛を求めた。
兵庫県も経路不明の感染者が増えることを懸念。大阪を含む県内外の往来自粛を31日まで継続するよう要請している。県の担当者は「往来自粛の要請は県民への注意喚起につながった」とし、首都圏の知事らの外出自粛の呼びかけについて「首都圏でも一定の効果はあるのではないか」とみる。
奈良県は27日、荒井正吾知事を本部長とする対策本部会議を開く。県防災統括室は「国内での感染状況や国の動向について庁内で情報を共有し、必要な対策を考えていく」としている。
京都府内では20日以降、新たな感染者が連日確認されているが、移動の自粛は求めていない。府は「今後、事態が急変する恐れはある」として感染者の状況を注視し、対応を検討する。