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卒業アルバム 思い出工夫…コロナで行事中止 地元名所で撮影

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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う学校行事の中止や縮小で、小中学校や高校の思い出を詰め込んだ卒業アルバムづくりに影響が出ている。例年ほど写真がないため、地元の名所で集合写真を撮ったり、昨年度までの写真を増やしたりと、各校は知恵を絞っている。(北瀬太一)

■特別感

 「カメラに顔が写るように動いて」。大阪府東大阪市の花園ラグビー場で16日、カメラマンの男性が同市立八戸の里小学校の6年生約60人に呼びかけ、シャッターを切った。4列に並んだ児童の背後の大型画面には、校名や学年の年間目標「学びあい」「信じあい」などのメッセージが表示された。同校は感染拡大防止のため、1泊2日の修学旅行を日帰りに変更し、運動会は中止した。6年生を撮影した写真は例年より少ないといい、植村佳央校長は「撮影の機会は1回でも多い方が良い。思い出に残るものにしたい」と話した。

 高校ラグビーの聖地・花園での撮影は、同市教育委員会が「アルバム用に」と呼びかけ、市立小中学校14校が応じた。写真撮影後に、ロッカールームやラグビーミュージアムも見学できる。八戸の里小の児童(12)は「先輩が体験できなかったことができた。特別感があってうれしい」と喜ぶ。

 昨年度までの行事の写真を活用する例も。

 大阪市立菅北小は学習発表会とプールの授業ができなかったため、5年生時の林間学習の写真を増やす。修学旅行や合唱コンクールをとりやめた東京都練馬区立石神井東しゃくじいひがし中も、1、2年生時の写真を多めに使う。川崎市立西丸子小では、例年は卒業式に間に合わせていた配布を遅らせて、卒業式の写真も掲載する。

■カメラ提供

 アルバムの制作会社などから支援の動きもある。

 学校や幼稚園などのアルバム制作を年間約3000校園で請け負う「夢ふぉと」(大阪市)は「今年は作れないかもしれない」との声が寄せられたため、ホームページ上に「アルバムレスキュー相談室」を設置した。写真が足りないなど困っている10校に、各クラス1台のデジタルカメラを寄贈。日常の風景を撮影してもらい、無償でアルバムにまとめる。今月30日まで応募を受け付け、抽選で決める。

 コンサルティング会社「Ms」(東京都葛飾区)は、AR(拡張現実)の技術を使ったサービスを提供。専用アプリを入れたスマートフォンをアルバムの写真にかざすと、連動した動画が見られる仕組みで、来年3月まで無料で登録できる。4月以降も再生可能といい、学校や業者から約60件の問い合わせがあった。担当者は「思い出作りの場が少なかった子供たちを応援したい」と説明する。

 京都市学校歴史博物館によると、戦前の旧制中学校や高等女学校で集合写真や学校生活の写真を集めた卒業記念のアルバムが制作されており、戦後に小学校や幼稚園まで広がったとみられる。学芸員の林潤平さん(教育史)は「行事の写真が撮れなくても、日常の風景を写真に残し、子供たちの思い出を詰め込んでほしい」と話している。

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1651986 1 ニュース 2020/11/25 15:00:00 2020/11/25 15:00:00 2020/11/25 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2020/11/20201125-OYO1I50001-T.jpg?type=thumbnail

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