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52歳、学生の「聞き役」に…震災で家族失った経験生かし

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 阪神大震災で両親ら4人の身内を亡くした岡田哲也さん(52)(兵庫県尼崎市)が、母校の関西大で学生の悩みに耳を傾けている。自分だけが生き残った罪悪感から救われたのは、じっと話を聞いてくれた人がいたから。苦しんだ経験を糧に心理カウンセラーの資格も取った。「聞き役」に徹し、目標を見失いそうな学生の背中をそっと押す。

 大阪府吹田市のキャンパスで先月、岡田さんは運動部の男子学生と向き合っていた。「何のために部活動をやるのか分からない」。昨秋から計8回胸の内を吐き出した学生は、吹っ切れた表情で帰って行った。

学生(手前)の相談に乗る岡田さん。自分の気持ちを整理することが大切だと思っている(大阪府吹田市で)=高部真一撮影
学生(手前)の相談に乗る岡田さん。自分の気持ちを整理することが大切だと思っている(大阪府吹田市で)=高部真一撮影

 岡田さんは関西大が2018年に導入した「スポーツアドミニストレーター」。スポーツを通じた地域貢献などを行うほか、学生アスリートの悩みを聞いている。2年余りで70人から相談を受け、「学生が自分で考え、乗り越えるよう少し手助けするのが僕の役目」と話す。

 26年前の1月17日、震災で兵庫県西宮市の自宅が倒壊。1階で寝ていた父(当時56歳)、母(同53歳)、里帰りしていた姉(同31歳)、めい(同1歳)が犠牲になった。岡田さんは2階にいて無事だったが、「自分の重みのせいじゃないか」と自分を責め続けた。

 電車や車に乗っても、少しの揺れで人の死を思い浮かべる。約10年後、勤務中に小さな地震が1日に2回起きた。仕事が手につかず、涙がこぼれそうになり、会社の医務室で看護師に初めて被災体験を打ち明けた。

 「ひとりで抱えて頑張ってきたんやね」。受け止めてくれる言葉に救われた。仕事を3日休み、自分の心と向き合った。「10年頑張った。家族は僕が幸せになることを望んでくれる」と思えるようになった。

 人に寄り添う大切さを身をもって知り、カウンセラーの資格を取って退職。企業などでカウンセリングをしながら、OBとして関西大バレーボール部で監督を務めてきた。アドミニストレーターに応募したのは、心の深い傷から立ち直った経験も生かせると考えたからだ。

 あの日の前夜、次の日もいつもと同じ朝が来ると思っていた。でも、来なかった。「『当たり前』なんてないと痛感した。学生たちには、今を大事に生きる気持ちで困難を乗り越えてほしい」と願っている。

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1767165 0 ニュース 2021/01/13 15:00:00 2021/01/14 15:28:51 2021/01/14 15:28:51 学生の相談に乗る岡田さん。自分の気持ちを整理することが大切だと思っている(大阪府吹田市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/01/20210113-OYO1I50004-T.jpg?type=thumbnail

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