タカラバイオ、PCR検査試薬を増産…生産量8倍に
完了しました

タカラバイオは、新型コロナウイルスに感染しているかどうかを確認するPCR検査用の試薬を国内で増産する。今夏までに国内の生産能力を現在の8倍にあたる月産800万検体分に増強する計画で、将来の新たな感染症にも備える。
PCR検査は、感染の疑いがある人の鼻の粘液や唾液などの「検体」の中にあるウイルスの遺伝子を増幅して感染の有無を判定する。新型コロナだけでなく、さまざまな感染症の診断にも使われている。
PCR検査用の試薬では、医薬品世界大手のスイス・ロシュなど欧米勢の占める割合が高いとされる。昨年は新型コロナの感染が世界的に拡大し、試薬が一時不足する事態に陥った。
タカラバイオは、政府の補助金を利用して滋賀県草津市の工場に最新の設備を導入し、国内での供給力を高める。欧米からの輸入に依存している東南アジアなどへの輸出も目指す。PCR検査用の試薬を巡っては、東洋紡や島津製作所でも生産量を増やす動きがある。