読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

バイクの音 息子に会えた…堺あおり運転殺人で犠牲 就職予定先が修理

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

車庫に戻ったバイクを前に、息子の思い出を鈴木さん(右)と語り合う母親。「息子がいつでも乗れるように」と毎日手入れをするという(7日、堺市西区で)=東直哉撮影
車庫に戻ったバイクを前に、息子の思い出を鈴木さん(右)と語り合う母親。「息子がいつでも乗れるように」と毎日手入れをするという(7日、堺市西区で)=東直哉撮影
高田拓海さん
高田拓海さん

 2018年7月に堺市で起きたあおり運転殺人事件で、犠牲となった大学4年高田拓海さん(当時22歳)が乗っていたバイクが今月、自宅に戻った。事件で大破したが、高田さんが就職予定だったバイク販売会社の整備士が修理した。事件から2年7か月。「お帰りなさい」。高田さんの母親(47)は息子をいたわるように、そっと車体をなでた。(市川了輔)

 高田さんが愛用していたホンダの大型バイク「CBR1000RR」。検察側が証拠品として保管していたが、殺人罪に問われた被告の懲役16年判決が確定したことを受け、昨秋、遺族に返還された。事件の翌年に高田さんが就職する予定だったバイク販売会社の整備士鈴木一徹さん(43)が預かり、約3か月間、閉店後や休日に修理してきた。

 7日、堺市の高田さんの自宅に届けられたバイクは、数え切れないほどあった車体の傷は消え、事故前の姿に戻っていた。

 客として来店していた高田さんとバイクの魅力を語り合い、就職の相談も受けていた鈴木さんは、「誰にでも好かれ、ガッツのある性格だった」と振り返り、「全力で修理しました。今日から新たな始まりです」とバイクを引き渡した。

 母親がキーを回し、エンジンスタートボタンを押すと、車庫に野太い排気音が響いた。かつてそれが息子の帰宅を告げる合図だった。「息子が一番大事にしていたバイク。私も少しずつ前を向いて生きていけるようになりたい」。母親は目頭を押さえたまま、ずっとその音に聞き入っていた。

あおり運転殺人事件 2018年7月2日夜、堺市南区で高田拓海さんが運転するバイクが、中村精寛(あきひろ)受刑者(42)の車にあおられた末、時速100キロ近くで追突された。高田さんは頭を強く打ち死亡し、中村受刑者は殺人容疑で逮捕された。20年7月に最高裁が上告棄却の決定をし、殺人罪で懲役16年とした1、2審の判決が確定した。

無断転載・複製を禁じます
1830371 0 ニュース 2021/02/09 15:00:00 2021/02/09 15:00:00 2021/02/09 15:00:00 鈴木一徹さん(右)による修理が終わり、自宅に運び込まれた遺品のバイクを前に高田拓海さんの思い出を語る母親  ※母親は顔出しNG、鈴木さんも所属会社のロゴが目立たないよう配慮するよう依頼あり。先方に確認済みです。再利用・ネット掲載注意(7日、堺市西区で)=東直哉撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210209-OYO1I50002-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)