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高齢者施設 新型コロナ感染後も療養…入院待ち2週間以上も

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 新型コロナウイルスの感染拡大で病床の逼迫ひっぱくが続く中、高齢者施設の入所者が感染後も入院できず、施設内で療養を余儀なくされるケースが相次いでいる。大阪市の業界団体の調査では、待機は最長2週間以上に及び、その間に施設内で感染が広がる傾向が判明。関係者は「クラスター(感染集団)の発生を抑制するためにも、早期の入院が不可欠」と訴える。(藤本綾子)

◇急変の恐怖

 「感染がこれ以上広がらないか、感染者が急変しないか、緊張の連続だった」。1月下旬に入所者11人が感染した大阪府内の有料老人ホームの職員は話す。

 保健所は感染者の年齢や持病から「要入院」と判断したが、病床不足などのために入院先が見つからず、最長5日間の待機者が出た。呼吸が苦しそうな人や急に血中の酸素濃度が下がり救急搬送になった人もおり、目を離せなかったという。

 施設内で死亡する事例も起きている。東京都では1月から高齢者施設の入所者17人が、入院調整が間に合わなかったり、家族が施設内でのみとりを希望したりして亡くなった。埼玉県でも1月、入所者4人が入院調整中に亡くなった。

 厚生労働省によると、高齢者施設や障害者施設を含む社会福祉施設などで療養をしている人は昨年12月上旬から増加傾向で、2月3日時点で496人に上る。

◇クラスター発生

 大阪介護老人保健施設協会(大阪市)は1月、昨年4月からの感染状況を調べるために加盟する府内188施設にアンケートを実施。回答した131施設のうち3割強の44施設で感染者が確認された。

 クラスターが発生したのは10施設で、うち8施設はすぐに入院先が見つからず、3施設ではその期間が2週間以上になった。待機中に悪化し、救急搬送後に死亡したケースもあった。一方、クラスターに至らなかった34施設のうち31施設では待機者が出ず、残る3施設も2、3日で解消した。

 同協会の木場康文事務局長は「重症化しやすい高齢者の集団に感染者を留め置くことは非常にリスクが高い。すぐに入院させ、感染を最小限にとどめることが必要だ」と訴える。

◇認知症で敬遠

 施設内待機が多発する背景には病床の逼迫のほか、特に認知症患者は徘徊はいかいなどで介護に人手が取られるため、病院側に敬遠されがちになるという実態もある。

 昨夏、認知症専用フロアでクラスターが発生した大阪府内の介護老人保健施設では、「ゾーニング」(区画分け)を守れないという理由で入院から数時間で感染者1人が施設に戻された。多い時には18人が待機となった。

 認知症患者はマスクが着用できなかったり、行動を制限されることで不安定になり暴れたりした。限られた人員のため、感染者に接した職員が感染していない入所者にも対応し、必死で守ってきたはずの非感染者ゾーンでも陽性者が出た。職員は「施設内で感染拡大を防ぐのは相当困難だ」と語る。

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1830383 0 ニュース 2021/02/09 15:00:00 2021/02/09 15:00:00 2021/02/09 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/02/20210209-OYO1I50005-T.jpg?type=thumbnail

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