チーム作りの専門家、J元コーチがラグビー進出…NTTドコモのアドバイザー就任
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ラグビー・トップリーグ(TL)、NTTドコモのチームアドバイザーに、サッカーの天皇杯でJ1神戸の初優勝を支えたチーム作りの専門家で、東京電機大理工学部教員の福富信也さん(40)が就任した。16チームが参戦して20日に開幕するリーグ戦で、チームの上位進出をサポートする。
福富さんは、勝つ組織に必要なチームワーク構築などを専門にしている。Jリーグのクラブを指揮するのに必要な日本サッカー協会のS級ライセンス取得のための講習会で講師を務めるほか、J1横浜Mなどでコーチを歴任した。
神戸で指導した2019年には、イニエスタらを擁しながら公式戦9連敗を喫するなど低迷していた時期に、チームの立て直しに携わった。選手が互いの問題点を改善しようとしない姿を見て、「黙っていることはチームワーク違反」などとミーティングで指摘。その後も助言を続けた。復調した神戸は、20年の元日に行われた天皇杯決勝で初優勝し、福富さんは、「チームを変えた」とテレビ番組で取り上げられた。
NTTドコモのアドバイザー就任は、番組を見たスタッフからのオファーがきっかけだ。福富さんにとってラグビーは未知の領域。サッカーの倍近い約50人の所属選手を一つにまとめる難しさを感じながら、「勝敗は自分でコントロールできないが、全力で戦うことを約束事にしよう」「『まあ、いいか』は排除しよう」などと意識改革を進める。
成果は表れつつある。積極性に欠けるのが課題だったチームに練習から厳しい言葉が飛ぶようになり、SO王子拓也は「チーム力は上がっている」と話す。長く下位に低迷し、昨季もコロナ禍でリーグが打ち切られるまで大敗続きで1勝5敗だった。チームが生まれ変われるか。目標とするトップ8入りへ、福富さんの挑戦が続く。(中安真人)