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「生き餌」動画は虐待?…「ヘビにウサギ」を愛護団体が告発

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生きたウサギをヘビにエサとして与える様子を映した動画(日本動物虐待防止協会提供)
生きたウサギをヘビにエサとして与える様子を映した動画(日本動物虐待防止協会提供)

 ウサギなどが「」としてヘビやトカゲに食べられる様子を映したユーチューブの動画が、議論を呼んでいる。動物愛護団体は投稿主の男性を大阪府警に告発。動物愛護法はむやみに動物を殺傷することを禁じているが、生きたままの小動物をペットに食べさせることは、動物虐待にあたるのか――。(松田祐哉)

一部始終

 昨年6月、あるユーチューブチャンネルに、約7分間の動画がアップされた。

 <この動画には生き物が死ぬ瞬間が含まれます>

 真っ黒な画面に、テロップが映し出された後、1匹の生きたウサギがヘビのいる部屋に放たれた。ヘビはウサギの体に巻き付き、気絶させるとゆっくりとのみ込み、その一部始終が流された。

 投稿したのは「極悪爬虫はちゅう類ユーチューバー」と名乗る大阪府内在住の男性。ハムスターやウズラを「生き餌」にする動画を5本投稿しており、日本動物虐待防止協会(横浜市)は昨年10月、男性を動物愛護法違反の疑いで告発した。男性は同月、チャンネルを閉鎖した。

 男性が投稿している動画の中には、食べられる瞬間をスローモーションに編集したものや、再生回数が増えて収益が上がったと述べる場面もあり、同協会の藤村晃子代表理事は「再生回数を増やすための演出をしており、生命への配慮が感じられない。生き餌を理由とした動物虐待だ」と主張する。男性は読売新聞の取材に「今は答えられない」としている。

禁じる規定なし

 専門家によると、野生の爬虫類は、生きた小動物を捕らえて食べるが、飼育されている場合は、解凍した冷凍マウスをエサにすることが一般的という。

 ただ、動物園では動物に生きた小動物を与えるケースもある。京都市動物園の和田晴太郎副園長によると、一部のヘビは小動物の体温を察知してエサを捕獲する習性があるといい、「生き餌を与えると、野生に近い状態になり、素早く反応してよく食べる。新鮮で栄養バランスも良い」と話す。

 動物愛護法は、人が占有している愛護動物(哺乳類、鳥類、爬虫類)をみだりに殺したり虐待したりすることを禁じている。動物実験などで殺さなければならない場合でも、「できる限り苦痛を与えない方法を」と定める。環境省の担当者は「生き餌をあげること自体、禁じる規定はないが、死ぬまでの間に不必要に強度の苦痛を与えていれば、虐待になりうる」としている。

削除対象

 生き餌を与える是非だけでなく、動画で配信することも議論を呼んでいる。

 ユーチューブを運営するグーグルによると、動物に危害を与える動画をユーチューブに投稿することは指針で禁じており、闘犬や闘鶏のように人間が動物同士を強制的に戦わせる動画も、確認次第、削除などの措置をとっているという。

 動物愛護に詳しいジャーナリストの佐々木俊尚さんは「教育的な観点で生き餌のやり方を知りたい人もいるはずだ。明確な基準がないまま動画の内容を規制することは、表現の自由への過剰な制限にもつながりかねない。感情論ではなく、冷静な議論が必要だ」と指摘している。

動物に危害 投稿で次々発覚

 警察庁によると、動物虐待などの動物愛護法違反事件は全国で年々増加。摘発件数は2019年が105件で、統計を取り始めた10年以降で最多となった。動物に危害を加える様子を動画でインターネット上に投稿し、発覚するケースが多いという。

 警視庁は17年8月、猫をガスバーナーであぶったり熱湯を浴びせたりして死なせたとして、50歳代の男を同法違反容疑で逮捕。19年7月には愛知県警が、飼っていたインコにライターを押しつけるなどした30歳代の男を逮捕した。いずれも虐待の様子をSNSなどに公開していた。

 動物虐待が増えている背景について、警察庁は「動物愛護への関心が高まり、愛護団体などからの通報や告発が増えているため」などとしている。

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1911404 0 ニュース 2021/03/15 15:00:00 2021/03/15 15:00:00 2021/03/15 15:00:00 ユーチューブにアップされた生き餌としてウサギをヘビに与える動画=日本動物虐待防止協会提供 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/03/20210315-OYO1I50002-T.jpg?type=thumbnail

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