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10年ぶりの再稼働、地元では賛否の声…関電美浜3号機

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 運転開始から40年を超える原子力発電所が23日、国内で初めて再稼働した。福井県美浜町に立地する関西電力美浜原発3号機。地元では10年ぶりに原発が動くことになり、経済効果への期待が高まる一方で、安全性の確保を注文する声なども上がった。

■細心の注意

 関電はこの日、美浜原発から約10キロ離れた原子力事業本部(美浜町)にプレスセンターを設置し、報道陣に作業の様子を公開した。

 午前10時、中央制御室で担当者がタッチパネルを操作すると、原子炉内の制御棒が引き抜かれ、間もなく「3号原子炉が起動しました」という放送が流れた。

 原子力事業本部の近藤佳典・副事業本部長は「再稼働に理解いただいた立地自治体に感謝する。安全最優先で、ワンステップずつ、細心の注意を払って作業を進めたい」と話した。

■希望の光

 地元では、再稼働に賛否の声が上がる。

 「希望の光がともった」。美浜原発から約5キロ南にある旅館の 女将おかみ (56)は、 安堵あんど の表情を浮かべた。

 3号機は1976年に運転を開始し、東京電力福島第一原発事故後の2011年5月から定期検査で停止。3号機より古い1、2号機も3号機に前後して停止した後、廃炉が決まり、同町で原発が稼働するのは、2号機が11年12月に停止して以来だ。

 たなべ旅館では3基が稼働していた頃は原発関係者らで満室になることもあったが、この10年間は当時の半数以下に。さらに新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけ1か月の宿泊客が1桁の状況が続いている。周辺の旅館や民宿は廃業したところもあるという。「再稼働は町全体が息を吹き返すきっかけになる」と田辺さん。テロ対策施設が未完成のため、施設の設置期限である10月25日までには再び停止することになるが、「できるだけ早く施設を完成させ、通常の運転を続けてほしい」と要望する。

 土木や建設など地元企業約100社が加盟する美浜町商工振興会などは昨年10月、美浜3号機の再稼働を求める請願を町議会に提出し、町議会の再稼働同意を後押しした。

 同振興会の藤井忠男専務理事(66)は「関電が安全、安心を確保するのが当然の前提条件だ」と注文した上で、「町内の事業者の多くが原発関連の仕事をしており、地元経済に再稼働が与える影響は大きい」と歓迎する。

■「安全性に不安」

 一方、原発の再稼働に反対する複数の市民団体でつくる「オール福井反原発連絡会」は23日午後、運転停止を求めて美浜3号機の周辺をデモ行進する。

 事務局の林 広員ひろかず さん(61)は「原子炉は交換することができず、古くなれば事故が起きるリスクは高まる。美浜3号機は運転開始から40年超というだけでなく、10年間運転が止まっており、安全性に不安を感じる住民は多い」と訴える。

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