読売新聞オンライン

メニュー

ニュース

動画

写真

スポーツ

コラム・連載・解説

発言小町

漫画

教育・受験・就活

調査研究

紙面ビューアー

その他

サービス

読売新聞のメディア

購読のお申し込み

読売新聞オンラインについて

公式SNSアカウント

戦友会 若者が継ぐ…駆逐艦をVRで再現、乗組員証言をSNS発信

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

菊月の模型や図面を前に、「VR菊月」の改良について話し合う堀江さん(中央)ら菊月会の若い会員たち(5日、愛知県春日井市で)=青木久雄撮影
菊月の模型や図面を前に、「VR菊月」の改良について話し合う堀江さん(中央)ら菊月会の若い会員たち(5日、愛知県春日井市で)=青木久雄撮影

 戦死者の慰霊や戦禍の継承を目的に、元兵士らが結成した戦友会は、会員の高齢化や死没で解散・消滅が相次ぐ一方、一部で「有志」として加わった若者が活動を担い始めた。VR(仮想現実)技術による戦艦の再現やSNSでの情報発信など、若い世代の視点であの戦争の記憶をつなぐ。(社会部 南暁子)

■「墓標」きっかけ

 ソロモン諸島沖で、船体の一部が海面に出た状態で残る駆逐艦・菊月の戦友会「菊月会」(東京都)。幹事の堀江 仁貴ひとき さん(28)は5日、愛知県内の自宅で、東京にいる橋本泰邦会長(53)とのオンライン会議に臨んだ。

 議題は、VR映像で乗船体験ができる「VR菊月」の改良だ。クラウドファンディングなどで資金を集め、昨年12月、インターネットに有料(500円)で公開。新たに入手した資料を基に、魚雷の発射管など細部の再現に取り組む。

 1982年に会を創設した元乗組員3人とは、10年近く前から連絡が取れなくなった。現在は別の元乗組員の遺族ら8人と、堀江さんら20歳代の有志3人の計11人で活動する。

 堀江さんは学生時代、3次元地図サービス「グーグルアース」で菊月を見て、「戦争のむなしさを伝え続ける『墓標』のようだ」と引き込まれ、4年前に入会した。

 VRに目を付けたのは、「若い世代に分かりやすい形での継承が大切だ」との思いから。「これを入り口に戦争に関心を持ち、祖父ら親族の軍歴に意識を向けてもらうことで、元乗組員を一人でも多く見つけ出したい」と話す。

■焦燥感が原動力

 戦艦・武蔵の元乗組員を慰霊する「軍艦武蔵会」(埼玉県)は、1980年代に1000人を超えた会員が現在約140人。活動に参加できる元乗組員は会長ら数人で大半は遺族だが、最近は有志の入会も相次ぎ、20~40歳代が20人近い。

 団体職員の沖田恭祐さん(26)は、映画「男たちの 大和やまと /YAMATO」(2005年)をきっかけに戦艦に関心を持ち、4年前に入会。元乗組員から「忘れ去られることが本当の意味での武蔵の消滅だ」と言われたのが心に刺さり、関係者の証言を残す活動を始めた。

 約30年前にドキュメンタリー映画の制作過程で収録された元乗組員や家族の証言記録を同会が譲り受け、沖田さんが1年近くかけて編集。6月から、84人の証言を音声と文書で数人ずつ有料で順次公開し、ツイッターで情報発信している。

 沖田さんは「僕たちは戦場を体験した人の肉声を聞ける最後の世代。渡されたバトンを途切れさせたくないという焦燥感が活動の原動力」と語る。

 軍事文化を研究する吉田純・京都大教授(社会学)によると、戦友会は60~70年代に盛んに結成され、全国に少なくとも3000以上存在したとみられるが、近年急速に解散・消滅が進む。吉田教授は「若い有志が戦友会の名簿や手記、軍歴といった貴重な資料をデジタル化するなどして次代に引き継ぐ意義は大きい」と指摘する。

無断転載・複製を禁じます
スクラップは会員限定です

使い方
2284758 0 ニュース 2021/08/14 15:00:00 2021/08/14 17:54:52 2021/08/14 17:54:52 終戦76年用、駆逐艦・菊月の模型や設計図を前にVRなどの最新技術を用いてその全容を伝える取り組みを進めている「駆逐艦 菊月会」の幹事・堀江仁貴さん(中央)ら会員(5日、愛知県春日井市で)=青木久雄撮影 https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/08/20210814-OYO1I50002-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込み

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)