車販売店 高齢者を囲い込み…電動車いす販売、免許返納 対応ローン

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ウィルの電動車いすの販売開始を発表する神戸マツダの橋本社長(左)ら(神戸市内で)
ウィルの電動車いすの販売開始を発表する神戸マツダの橋本社長(左)ら(神戸市内で)
自動車販売会社は中途解約可能なローンも用意している(奈良県田原本町で)=中原正純撮影
自動車販売会社は中途解約可能なローンも用意している(奈良県田原本町で)=中原正純撮影

 少子化や若者の「クルマ離れ」で経営環境が厳しくなる中、自動車販売会社が高齢者向けビジネスに力を入れている。電動車いすや、運転免許証を返納すると中途解約できるローンなどを取り扱い、顧客を囲い込もうとしている。(久米浩之、小野田潤)

 神戸マツダ(神戸市)は7月、電動車いす専業の新興企業「WHILL(ウィル)」(東京)と提携した。最高時速6キロで、5時間の充電で約18キロ移動できる「Model C2」(47万3000円、非課税)などを取り扱う。

 電動車いすは運転免許証が不要で、主に身体障害者や高齢者が利用する。神戸マツダの橋本覚社長は「変化しなければ、生き残りが難しい」と提携の理由を語る。ウィルの製品は見た目にもこだわっており、「外観を重視するマツダの顧客層と重なる」(橋本氏)ことも後押しした。

 電動車いすの販路は従来、福祉用品店が主流だった。だが、ウィル製品は現在、マツダやトヨタ自動車、日産自動車、ホンダを含む国内自動車メーカー大手の販売会社31社が取り扱う。

 電動車いす安全普及協会によると、2020年度の国内出荷は約2万4000台で、5年前の1・2倍に増えた。カーシェアリングや高齢者の運転免許証返納などが広がり、新車販売は厳しさを増している。電動車いすは売り上げ拡大を期待できる商品だ。ウィルの担当者は「販売会社から提携を打診されることが増えた」と話す。

 電動車いすの国内市場で約5割のシェア(占有率)を持つ最大手のスズキも、系列販売店での売り込みに注力する。ホンダは、デザイン性の高い電動車いすを開発中だ。電気自動車メーカーのGLM(京都市)は、22年に参入することを目指している。

 各社は、本業の新車販売にも力を入れている。高齢者による交通事故が社会問題化する中、自動ブレーキなど安全装置を備えた車種への乗り換えを促すために用意しているのが、中途解約可能なローンだ。

 トヨタが19年秋に始めたローンは、対象を60歳以上に限定している。車両価格の半分程度を5年間分割で支払う期間中、病気で運転できなくなったり、免許を返納したりした場合は車を販売店に返却してローンを解約できる。20年度、このローンの契約は約1500件あった。スズキも今年2月、中途解約できるローンを始めた。

 奈良トヨタ(奈良県)の中村佳照・取締役営業副本部長は「車しか移動手段がない地方は多く、まだ運転できる高齢者も大勢いる。最新モデルに乗り換えてもらい、事故の減少につなげたい」と話す。

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