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勝負二の次 「ゆる部活」…運動部離れに歯止め、地方でも人気

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 勝ち負けにこだわらず、先輩と後輩の上下関係もない運動部の活動「ゆる部活」が、中学校や高校で注目されつつある。行きすぎた長時間の練習や暴力的な指導が「ブラック部活」などと近年問題視されるようになり、楽しみながら運動習慣を身につけてもらおうと、スポーツ庁が3年前に提唱した。生徒数の減少で部活動の維持に悩む地方の学校でも歓迎されている。(新谷諒真)

参加は自由

 「このダンス、めっちゃ難しい」。9月、徳島県小松島市の市立小松島中の図書室で、「スポーツ健康部」の部員約20人がテレビ画面に映したユーチューブのダンス動画を見ながら、体を動かしていた。この日の活動は1時間半。室内には笑い声が終始響いていた。

 同中では、生徒の減少もあり、サッカーなど人気競技も部員不足で公式戦に出場できなくなっていた。「気軽に体を動かせる居場所を」と昨年、スポーツ健康部を創部した。

 平日の放課後、ダンスのほか、体幹トレーニングやゴム跳び、サッカーなど様々な運動で汗を流す。活動内容は部員の希望も聞いて顧問が決め、参加は自由。週末や夏休みなどは休みだ。

 「帰宅部」だった生徒も入部し、部員は27人。2年の生徒(13)は運動経験はなかったが、体力に自信をつけ、7月、県の陸上競技大会に出場した。200メートル走で自己ベストを更新し、「勝ち負けではなく、純粋に自分の力を試すことができた」と笑顔で話す。

2割「帰宅部」

 スポーツ庁は18年3月に「運動部活動のあり方に関する総合的なガイドライン」を策定。「生徒のニーズを踏まえた環境整備」を求め、その一例として「ゆる部活」を推奨した。背景に運動部離れがある。

 国立青少年教育振興機構が19年度に実施した意識調査では、「運動部に所属している」と回答した高校2年生の割合は47・3%で5年前の調査から3・3ポイント減少した。一方、「部活動に所属していない」は、20・1%で1・1ポイント増えた。スポーツ庁の担当者は「現状では、多くの子どもが運動習慣がないまま大人になってしまう」と危機感をあらわにする。

 こうした中、ゆる部活に先進的に取り組んできたのが東京都世田谷区だ。12年に区立東深沢中に「体力向上部」が設けられ、各校に紹介された結果、現在は区立中29校のうち9校で実施。区教委には各地の教育委員会や学校から問い合わせがあり、担当者は「体力に自信がない生徒にも受け入れられている」と話す。

 大阪市では中学校2校に「ゆる部活」がある。市立玉出中のヨガ部の活動は週2回1時間。部員同士で持ち寄った本から見つけたやりたいポーズに挑戦する。

 教員にもメリットがある。ゆる部活は活動時間も短く、小松島中スポーツ健康部顧問の黒田咲智教諭は「以前は部にかかりっきりだったけど今は他の業務とも両立できる」と歓迎する。

掛け持ち

 生徒の少ない小規模校には部活動の維持に役立つ。

 京都市右京区の京都府立北桑田高は自転車競技部が今年の高校総体を制し、スポーツクライミング部も全国レベルだ。しかし、全校生徒は200人弱しかおらず、団体競技では部員をそろえるのが困難だった。

 そこで昨年8月、「フリースポーツクラブ」を創設。入部時に希望の種目を学校に伝えれば練習できる。複数種目の掛け持ちも認める。

 全校生徒が約40人の京都府京丹波町の町立和知中も今年4月に「フリースポーツ部」を創部。谷口恭子校長は「小さな学校でもスポーツの魅力を感じてもらえるようになった」と胸を張る。

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