娘のために母祈る 香川高校生殺害、未解決で25年

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 香川県南部のまんのう町(旧琴南町)の山中で1997年、高校1年真鍋和加さん(当時16歳)の遺体が見つかる事件があった。死因は窒息死で、県警は殺人事件として捜査を続けているが、未解決のまま、今月15日で発生から25年となった。母親の明美さん(73)は、これまでに全国の寺を延べ3000か所以上巡って、事件の解決を願い、供養してきた。「私にできる唯一のこと」と、これからも続けるという。(畝河内星麗)

「和加が生きていれば41歳。結婚して、かわいい子がいたかもしれない」と語る母親の明美さん(香川県三豊市で)
「和加が生きていれば41歳。結婚して、かわいい子がいたかもしれない」と語る母親の明美さん(香川県三豊市で)

 「おはよう。今日もいい天気やね」。明美さんは毎朝、仏壇に炊きたてのご飯を供え、遺影に話しかける。和加さんは好奇心が旺盛で、「写真家か小説家になりたい」と語る高校生だったという。

 97年3月15日夜、同県三豊市(旧詫間町)の自宅近くのコンビニ店でアルバイトを終えた後、行方不明となり、同17日朝、約30キロ離れた山中で、遺体で発見された。首には絞められた痕があった。

 県警は当初、顔見知りの犯行とみて調べたが、捜査は難航。明美さんは夫の 宜之よしゆき さんと現場に通い、和加さんが持っていたはずのポケットベルや腕時計を捜した。解決の糸口になればという切実な思いからだった。

 だが事件に動きはなく、夫婦の間がギクシャクするようになった。「親なのに、娘が誰と仲が良かったのかわからないのか」「なぜアルバイトを許可したの」――。自宅にいると、やり場のない怒りがこみ上げ、2人で涙を流した。

 出口が見えない中、支えになったのが事件の翌年から夫婦で始めた巡礼だった。「犯人が憎い。早く捕まって」。明美さんはそう願い、手を合わせることで、苦しい気持ちを紛らわせた。

 ある時、愛媛県の寺で住職に胸中を打ち明けると、厳しい口調で説かれた。「憎しみで手を合わせるんじゃない。娘さんのことを一番に考えて供養してあげなさい」。すぐには受け入れられなかったが、四国遍路のほか、近畿、東北と巡礼を重ねるうち、「娘のために祈ろう」という気持ちが湧いてきた。

 徐々に、以前のような憎しみは薄れ、「仏壇に手を合わせ、娘に謝ってほしい」と願うようになった。

 9年前、宜之さんが69歳で病死。明美さんも足腰が弱くなったが、つえをつきながら、一人で巡礼を続けてきた。コロナ禍で昨年は2回しか出られなかったが、気持ちは変わらない。「息のある限り続けたい。それが自分に残された務めだと思うから」

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