ウクライナの避難民、受け入れ私たちも…日本語学校に無料受け入れ、自治体が住宅提供

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 ロシア軍による攻撃が続くウクライナから避難民を受け入れる準備が各地で進められている。24日で侵攻開始から1か月。戦火から逃れようと、日本への早期避難を求める人は多く、市民団体や自治体は住居提供や日本語教育など様々な支援に乗り出している。避難生活の長期化を見込んだ対応が求められている。(福永正樹、苅田円)

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すぐにでも

 「いつ自宅が爆撃されるか不安で仕方ない。すぐにでも日本へ避難したい」。ウクライナ南東部のザポリージャ州の都市に住む大学院生の女性(22)は22日、日本語学校21校でつくる「日本・ウクライナ学生支援会」(大阪市)が開催したオンライン面談で訴えた。

ウクライナの学生とオンラインで面談する「日本・ウクライナ学生支援会」の平岡代表(左)ら(22日、大阪市で)=宇那木健一撮影
ウクライナの学生とオンラインで面談する「日本・ウクライナ学生支援会」の平岡代表(左)ら(22日、大阪市で)=宇那木健一撮影

 女性は同州出身で幼い頃に父親を亡くし、母親と2人暮らし。3月上旬には約30キロ離れたザポリージャ原発が制圧され、自宅付近ではミサイル攻撃で死者が出た。精神的にも追い詰められ、避難を望んでいた。

 女性が避難民を支援する同会の取り組みをSNSで知ったのは約1週間前。アニメを通じて日本文化に関心があり「大好きな日本で暮らしたい」と申し込んだ。

 同会は寄付などを基に半年分の家賃を補助するほか、日本語を無償で指導。女性は日本への渡航費を工面できない状況だが、同会は渡航費の提供も検討しており、「支援が決まれば、一日も早く日本で平和な日常を取り戻したい」と語った。

 同会が募集を始めた18日以降、現地のウクライナ人25人からメールなどで応募があった。対象者約100人を面談で決めるといい、日本語学校の校長で同会代表の平岡憲人さん(55)は「ノウハウを生かし、就労先の紹介など、言葉の習熟度に応じた支援を行いたい」と強調する。

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 ウクライナから国外に逃れた避難民は360万人を超え、欧州の一部の国では受け入れ態勢が限界に近づきつつあるとの見方もある。日本への避難は21日時点で160人だが、在日ウクライナ人約1900人の親族らを中心に今後、増加が予想される。

 政府は避難民について「短期滞在」(90日)の在留資格で入国後、希望すれば就労可能な「特定活動」(1年)への変更も認める。従来よりも査証の申請手続きを簡素化するなどして受け入れを拡大する。

 各地では受け入れ準備が本格化している。

 住宅提供などを打ち出す大阪市は市内在住のウクライナ人84人を対象に訪問調査を実施。「親族を呼び寄せたいが、仕事や生活が心配」といった不安の声が多数寄せられ、担当者は「安心して暮らせるようニーズを聞きながら対応し、手助けしていきたい」と話す。

 兵庫県はふるさと納税制度を利用して寄付を呼びかけ、滞在中の生活支援につなげる。首都・キエフと姉妹都市の京都市などは一元的に対応するワンストップ相談窓口を設けるほか、避難者に支援企業や団体を紹介する取り組みも行う。

 「日本ウクライナ文化交流協会」(大阪府八尾市)は2000万円の基金を用意して避難民の渡航費や食費などを補助するほか、会員が経営するホテルの客室を無償で提供する。

女性や子供が9割 支援きめ細かに

 ウクライナ避難民が日本に長く滞在する場合は、多様な支援が必要になる。

 20年以上にわたり、難民の生活を支えてきたNPO法人「難民支援協会」(東京)の石川えり代表理事によると、過去には紛争が長引き、帰国が困難になるケースが多かったという。石川代表理事は「状況に応じて長期滞在を認めるなど中長期的な視点で支援していく必要がある」と話す。

 ウクライナから国外に逃れる避難民の9割は女性や子どもとされる。難民問題に詳しい近畿大の桑名恵准教授は「家族構成や年齢に応じたきめ細かな支援が重要になってくる」と強調。その上で「衣食住だけでなく、就労や精神的なサポートまで幅広い分野で、行政や企業、地域社会が連携し、効果的に支援できる仕組みづくりが求められる」と指摘する。

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2862177 0 ニュース 2022/03/24 15:00:00 2022/03/24 15:00:00 2022/03/24 15:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/03/20220324-OYO1I50003-T.jpg?type=thumbnail

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