コロナ禍でAEDの使用減 接触に抵抗感…財団 活用訴える声明

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 心停止した人のそばに居合わせた人が救命処置を行う際に用いるAED(自動体外式除細動器)の使用率が、コロナ禍で低下している。感染を恐れて使用をためらう人が多いとみられ、日本AED財団(東京)は緊急声明を出し、救命活動に欠かせないAEDの活用に協力を求めた。

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 心停止した人には、胸骨圧迫(心臓マッサージ)や人工呼吸、AEDによる救命処置が行われる。AEDは2004年から医療従事者以外も扱えるようになった。

 総務省消防庁によると、一般市民が目撃した心停止などの患者は、19年は2万5560人、20年は2万5790人。このうち、AEDによる処置を受けた人は、19年には5・1%(1311人)だったが、20年は4・2%(1092人)に減った。心停止後の救命処置により1か月後に社会復帰できた人は、19年の9%(2291人)から20年には7・5%(1942人)に低下しており、AED使用率の低下も影響しているという。

 AED財団によると、コロナ禍で人に触れることへの心理的な抵抗感が原因の一つとみられる。同財団は2月に「救える命が救えない状況が起きている」と、緊急声明を発表。AED使用の際に、倒れている人の口と鼻にマスクやタオルをかけるといった感染対策をしながら、救命処置を実施するよう呼びかけた。

 AED財団の専務理事で京都大の石見拓教授(蘇生科学)は「胸骨圧迫やAED使用の際は双方がマスクを着用し、処置後に消毒することで感染リスクはかなり抑えられる。一刻を争う救命の現場では近くにいる人の力にかかっている」と訴える。

 また、消防本部などが開催する救命講習について、オンライン形式などで対応しているが、受講者は減少しているという。

 昨年12月に京都府宇治市内で倒れた60歳代の男性に、胸骨圧迫とAEDを使って命を救った同市の元女性消防団員(65)は普段から救命処置の知識を得る重要性を指摘。「講習でAEDの使い方やコロナ対策を学び、いざという時に備えてほしい」と話す。

AED(自動体外式除細動器)  心停止状態の人に電気ショックを与え、心臓の状態を正常に戻す医療機器。日本心臓財団によると、全国の公共施設やコンビニなどに約60万台設置。心停止から時間がたつほど救命率が低下するため、救急隊の現場到着までの時間(平均8.9分)内で活用することが重要とされる。

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