千利休の生誕500年、茶道熱く…ゆかりの品展示、高校生の茶会

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 安土桃山時代の茶人・千利休(1522~91年)が今年で生誕500年を迎えるのに合わせ、各地で様々な取り組みが計画されている。近年は茶道人口の高齢化やコロナ禍による影響もあり、茶の湯を大成した「茶聖」に光を当てることで、茶道の活性化につなげたいとの期待もにじむ。

千利休のゆかりの地・大徳寺(2日、京都市北区で)=長沖真未撮影
千利休のゆかりの地・大徳寺(2日、京都市北区で)=長沖真未撮影

 利休自ら手がけた掛け軸や花入れ、理想の「わび」「さび」を体現した黒楽 茶碗ちゃわん ――。生誕500年を記念し、京都市左京区の野村美術館は3月5日から3か月間の会期で、ゆかりの茶道具を前後期計約80点そろえた特別展「利休茶の湯の確立」を開催している。

 利休の茶道具は簡素、静寂を重視した美意識と自然観を体現しており、展覧会では道具から茶の湯創成期の歩みを追った。谷晃館長は「利休の精神が息づく茶道具を通して、日本独自の深い茶文化が成立する過程を見てほしい」と話す。

 総務省の社会生活基本調査(2016年)によると、全国の茶道人口は約176万人で、20年間に約3割減少。文化庁地域文化創生本部(京都市)が20年度、全国の茶道教室などを対象に実施したアンケートでは、60歳代以上の生徒が42%を占め、高齢化が進む。コロナ禍で茶会や点前の指導が休止され、今後の活動への影響を懸念する声もあった。

 そんな中、利休の出身地として茶道の普及に取り組む堺市は今年度、市の施設「さかい 利晶りしょうもり 」の茶室で、全国の高校茶道部員に集まって点前を披露してもらう茶会を初めて計画している。高校の文化系部活動では「書道甲子園」「俳句甲子園」などが注目されており、「茶道部にもあこがれの舞台を用意したい」(市担当者)と考えたという。

 利休が若い頃に修行した南宗寺の田島 碩應せきおう 住職(70)は「利休は堺で修行中、人を大切にもてなす思想を身につけ、茶の湯の大成につなげた。その世界観とともに堺をPRする絶好の機会だ」と語る。

 京都市内には、利休が暮らした 聚楽じゅらく 屋敷跡、山門に掲げられた利休の木像が切腹の原因になったとも伝わる大徳寺などゆかりの地が多く、観光客の呼び込みにも力が入る。

 旅行各社にプランを提供する京都観光企画(京都市)は、大徳寺や利休が手がけた現存唯一の茶室「 待庵たいあん 」(国宝、京都府大山崎町)などを巡るツアーを用意し、大手で販売が始まった。京都府長岡京市は、利休の弟子・細川忠興の居城だった市内の勝龍寺城跡や、茶 しゃく 作りの体験施設などを巡る観光モデルコースをPRしている。

「わび茶」を大成

 利休は大阪・堺の商家生まれ。茶席で高価な中国製陶器(唐物)などを尊んだ室町時代の風潮に対し、禅宗の思想を背景とした簡素、簡略な「わび茶」を大成した。重視したのが、草庵風の狭い茶室で膝を突き合わせ、茶でもてなす「心の通い合い」だった。

 織田信長、豊臣秀吉に重用され、秀吉の下では京都・北野天満宮での大規模な茶会「北野 大茶湯おおちゃのゆ 」をプロデュースしたが、後に秀吉に切腹させられた。理由については、大徳寺の利休像が不敬とされたとの説や、秀吉が利休の権勢を恐れたとの説などがある。

 利休の茶は、孫の千家三代・ 宗旦そうたん の息子3人が構えた表千家、裏千家、武者小路千家(いずれも京都市)の三千家によって現在に受け継がれている。

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