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安土桃山時代の茶人・千利休(1522~91年)が今年で生誕500年を迎えるのに合わせ、各地で様々な取り組みが計画されている。近年は茶道人口の高齢化やコロナ禍による影響もあり、茶の湯を大成した「茶聖」に光を当てることで、茶道の活性化につなげたいとの期待もにじむ。

利休自ら手がけた掛け軸や花入れ、理想の「わび」「さび」を体現した黒楽
利休の茶道具は簡素、静寂を重視した美意識と自然観を体現しており、展覧会では道具から茶の湯創成期の歩みを追った。谷晃館長は「利休の精神が息づく茶道具を通して、日本独自の深い茶文化が成立する過程を見てほしい」と話す。
総務省の社会生活基本調査(2016年)によると、全国の茶道人口は約176万人で、20年間に約3割減少。文化庁地域文化創生本部(京都市)が20年度、全国の茶道教室などを対象に実施したアンケートでは、60歳代以上の生徒が42%を占め、高齢化が進む。コロナ禍で茶会や点前の指導が休止され、今後の活動への影響を懸念する声もあった。
そんな中、利休の出身地として茶道の普及に取り組む堺市は今年度、市の施設「さかい
利休が若い頃に修行した南宗寺の田島
京都市内には、利休が暮らした
旅行各社にプランを提供する京都観光企画(京都市)は、大徳寺や利休が手がけた現存唯一の茶室「
「わび茶」を大成
利休は大阪・堺の商家生まれ。茶席で高価な中国製陶器(唐物)などを尊んだ室町時代の風潮に対し、禅宗の思想を背景とした簡素、簡略な「わび茶」を大成した。重視したのが、草庵風の狭い茶室で膝を突き合わせ、茶でもてなす「心の通い合い」だった。
織田信長、豊臣秀吉に重用され、秀吉の下では京都・北野天満宮での大規模な茶会「北野
利休の茶は、孫の千家三代・