日本語学校、留学生戻るも難題残る…コロナ下で閉校相次ぐ

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留学生が出席して行われた入学式。入国予定の学生らもオンラインで参加した(大阪市西区の大阪YMCA国際専門学校で)=写真は一部修整しています
留学生が出席して行われた入学式。入国予定の学生らもオンラインで参加した(大阪市西区の大阪YMCA国際専門学校で)=写真は一部修整しています

 新型コロナウイルスによる外国人の入国制限が3月から緩和され、留学生の来日が本格化している。日本語学校や専門学校の日本語学科といった「日本語教育機関」に学生の姿は戻りつつあるが、約2年に及ぶ入国制限の影響は大きく、閉校した学校も出ている。コロナの感染が再拡大する可能性もあり、学校関係者は期待と不安が入り交じる春を迎えている。(福永正樹)

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 「大阪YMCA国際専門学校」(大阪市西区)で今月6日、日本語学科の入学式が行われた。7人の新入生らが出席したほか、70人がオンラインで参加。新入生の中国人 田甜でんてん さん(22)は「1年間待ちに待った入学。ようやく日本で勉強できる」と声を弾ませた。

 昨春に入学予定だった田さんはコロナ禍で入国できず、中国でオンライン授業を受けていたが、昨年9月にいったん退学。制限緩和を知って再挑戦を決め、1年遅れで入学した。田さんは「日本の大学で心理学を学ぶ目標に向かい、一歩ずつ歩みたい」と話す。

 同校の日本語学科(定員240人)は例年、200人余りの学生が在籍。しかし、3月末にはオンライン受講生を除き、学校に通う学生は6人に減っていた。鍛治田千文校長は「久しぶりに学生が戻り、やっと光が見えてきた」と話した。

 政府は2020年3月以降、G7(先進7か国)で最も厳しい水際対策を取ってきた。

 日本学生支援機構によると、大学や日本語学校などで学ぶ留学生全体の数は2019年5月には31万2214人いたが、コロナ禍による制限で、21年には24万2444人に減少した。

 日本語学校などの留学生は21年5月時点で4万567人で、コロナ禍前の19年と比べて半減。その後もほぼ入国できておらず、学生の大半を留学生が占める日本語学校などの経営を直撃した。

 学校法人「ARC学園」(京都市)は3月、経営悪化で大阪市の日本語学校を閉校した。教職員を解雇し、校舎の売却も検討中で、鈴木紳郎理事長は「ダメージは大きく、元の状況に戻るには時間がかかる。コロナの感染再拡大が心配だが、二度と国を閉じないでほしい」と漏らす。

 3月には「東京トランスナショナル日本語学校」(東京都大田区)や「弥勒の里国際文化学院日本語学校」(広島県福山市)などが相次いで閉校している。

 日本語学校への留学生は来日後、最長2年間学び、その後、大学などに進学するケースも多い。

 留学生教育学会の会長を務める大阪大の近藤佐知彦教授は「入国制限で知日派の人材を育てる重要な役割を担ってきた日本語教育機関の機能が弱ってしまった。制限の影響は数年続くだろう。政府には感染対策を徹底させ、中長期的な視点に立ち留学生を柔軟に受け入れていく体制づくりが求められる」と指摘する。

「日本離れ」大学も危機感

 入国制限による留学生の「日本離れ」も指摘されている。

 3月からの制限緩和で、政府は今月10日から1日の新規入国者数の上限を1万人に引き上げたほか、留学生には別枠で優先的に入国させる措置を取っている。5月末までに入国を希望する約11万人(推計)全員の受け入れを目指しており、既に約3万人が入国した。

 しかし、文部科学省によると、この2年間で4万人近い学生が留学先を他国に変更したり、諦めたりしたとみられる。米国カリフォルニア大が23年3月まで日本への留学生派遣を見送るなど、派遣を取りやめる学校も出ている。

 大学も危機感を募らせている。

 日本語学校などの新規入学が20年春以降の2年間、大幅に減ったことで大学への影響が拡大するのは今年度以降と懸念されている。

 関西大(大阪府吹田市)では今年度の留学生の志願者数は例年と比べて3割減少し、約650人。担当者は「来春は日本語学校からの学生は、ほぼ見込めない。より深刻な影響が出るのは間違いない」と語った。

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