ウクライナ支援 味で応える/国民食キッチンカーで販売へ…滋賀・彦根に避難の女性

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

キッチンカーで販売する「ブリンチキ」を試作するイリーナさん(右)とギャリーナさん(4月22日、滋賀県彦根市で)=里見研撮影
キッチンカーで販売する「ブリンチキ」を試作するイリーナさん(右)とギャリーナさん(4月22日、滋賀県彦根市で)=里見研撮影

 ロシアの軍事侵攻を逃れ、滋賀県彦根市に避難したイリーナ・ヤボルスカさん(50)が、ウクライナの家庭料理を販売するキッチンカーを始める。母国の文化を伝え、自立した生活に向けて歩みを進めたいとの思いからだが、根底には日本の支援に対する「恩返し」の気持ちがあるという。2日から機材の購入資金などを募るクラウドファンディング(CF)を開始し、5月下旬のプレオープンを目指す。(松久高広、西堂路綾子)

 イリーナさんは3月下旬、母のギャリーナ・イバノバさん(80)と2人で東部ハルキウ(ハリコフ)から彦根市在住の娘、カテリーナさん(31)夫婦を頼って来日した。2人は県が無償提供した宿泊施設に身を寄せ、娘夫婦の援助や市民からの支援金などで生活する。

 イリーナさんは、手厚いサポートに感謝し、「得意な料理で何かできないか」とキッチンカーの出店を思いついた。販売するのは、クレープ生地で食材を包むウクライナの国民食「ブリンチキ」。果物やクリームをはさんでスイーツにしたり、鶏肉やマッシュルームを入れて食事にしたりする。日本では手に入りにくい食材もあり、今もハルキウに残る料理人の夫、ローマンさん(52)にも知恵を借りているという。

 カテリーナさんの夫、菊地崇さん(28)がハルキウの実家を初めて訪れた際に振る舞った「特別な料理」でもある。菊地さんは「手料理を通じて仲良くなろうとしてくれた。ブリンチキからママの優しさを感じた」と話す。

 イリーナさんは就労できるよう在留資格「特定活動」への切り替えを済ませ、営業に必要な食品衛生責任者の資格はカテリーナさんが講習を受講して取得した。イリーナさんはウクライナ語とロシア語しか話せないが、接客に備え、日本語会話を勉強するつもりだ。

 2日に彦根市内で記者会見したイリーナさんは「日本の人が『おいしい』『ありがとう』と言ってくれることが私たちの活力になる。彦根にぜひ食べに来てください」と話した。820人(4月30日現在)が日本に逃れたが、言葉の面などから就労へのハードルは高い。イリーナさんはキッチンカーが軌道に乗れば、他の避難民らと全国に2、3店舗目を出したいと思い描く。

 最初の出店場所は、国宝・彦根城周辺など県内を予定。キッチンカーは彦根商工会議所などでつくる一般社団法人から借り受け、資金が用意できた段階で自前のものを購入する方針。CFは6月10日までに360万円を目標に仲介サイト「キャンプファイヤー」で募る。

スクラップは会員限定です

使い方
「地域」の最新記事一覧
2970749 0 ニュース 2022/05/03 06:00:00 2022/05/03 06:00:00 2022/05/03 06:00:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/05/20220503-OYO1I50000-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)