「18歳成人」で養育費の打ち切りに不安…相談相次ぐ 国「自立まで支払い義務」、弁護士会 誤解解消を訴え

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 4月に成人年齢が18歳に引き下げられ、養育費の打ち切りに不安を抱くひとり親家庭の子どもは少なくない。法律上は「大人」でも、経済力に乏しい学生が多いためで、養育費等相談支援センター(東京)には相談が相次ぐ。国は養育費の期限は成人年齢と連動しないとしており、センターや弁護士会は「経済的に自立できない間は養育費を支払う義務がある」と周知に力を入れる。(生田ちひろ)

■「未成熟」

 養育費は、子どもが自立するまでに必要な費用で、生活費や教育費、医療費などが含まれる。民法は離婚時に夫婦が協議して金額や支払期間を決めるよう定めている。

 成人年齢を20歳から引き下げる民法改正の議論の中で、養育費の支払期限の引き下げにつながることを危惧する声が上がり、国会は2018年に付帯決議で、成人年齢と連動せず、「未成熟」である限り養育費を支払う義務があると確認。政府は今年1月、アニメ「東京リベンジャーズ」とタイアップした特設サイトを公開し、養育費について「子が経済的に自立していない場合は、養育費の支払い義務を負う」と強調した。

■将来を左右

 「養育費がないと、大学進学は難しい」。大阪市内で母親(50)と暮らす高校2年の女子生徒(16)は、大学で社会福祉を学びたいと考えている。成人になったことを口実に支払いを打ち切られないか――。成人年齢の引き下げは、将来を左右しかねない悩みの種だ。

 2人は10年近く前、父親の家庭内暴力(DV)から逃れるために母子寮に入り、その後、離婚が成立した。現在は母親が事務のパート勤務で生活を支える。

 父親からの養育費は月5万円。大学に進学すれば22歳まで、しなければ20歳までという約束だが、不安がよぎる。「18歳成人を都合良く解釈されないかと心配している人はほかにもいると思う。自立できるまでは支払ってほしい」と望む。

■「実情応じて」

 厚生労働省から委託を受けて運営する養育費等相談支援センターにも「18歳で打ち切られるのか」といった相談が寄せられており、山崎朋亮センター長は「今年に入って特に目立つようになった」と話す。3月までに支払期限を「成人まで」と取り決めていた場合に問題になりやすい。山崎センター長は「18歳になるわけではない」とした上で、今後は「22歳に達した翌年の3月末まで」などと具体的に定めるよう勧める。

 兵庫県弁護士会は改正民法施行直前の3月下旬に発表した会長談話で、消費者被害の拡大などとともに「養育費の支払期間に関する誤解」を「深刻な懸念」の一つとして挙げ、「18歳で養育費が支払われなくなるものではない。夫婦の経済力や学歴、子の環境など実情に応じて柔軟に決めるべきだ」と訴えた。

 大阪弁護士会もホームページ上に開設している成人年齢引き下げに関する特設ページで、子どもは親に学費や在学中の生活費の支払いを求める権利が認められる可能性があると紹介する。

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