高校生就活、ミスマッチ防げ…大阪「1人2社」応募可能に、導入の和歌山では利用低調

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企業の採用担当者(奥)から会社概要について説明を受ける高校生ら(大阪市中央区で)
企業の採用担当者(奥)から会社概要について説明を受ける高校生ら(大阪市中央区で)

 来春卒業の高校生の就職活動で、企業による学校訪問や求人の公開が7月1日に解禁される。大阪府では、応募できる企業を1人1社に限る慣例を見直し、2社まで可能になる。ミスマッチを防ぐ仕組みとして注目されるが、先行する自治体では「生徒の準備が間に合わない」などとして、複数社への応募は低調だ。(北瀬太一、平野真由)

「チャンス」

 14日に大阪市内で開かれた高校生向け合同企業説明会。「和食さと」を展開するサトフードサービス(大阪市)のブースでは、採用担当(46)が仕事内容や福利厚生などを説明していた。「会社の魅力を例年以上にわかりやすく伝えるようにした」と話す。

 高校生向けの求人には、企業が高校を選んで出す「指定校求人」と、全国を対象とする「公開求人」がある。大阪府ではこれまでどちらかで「1人1社」だったが、今年度から公開に限り2社まで認めた。

 高校生の求人倍率は近年2倍を超え、生徒有利の「売り手市場」。併願可能となると採用競争は激化するが、歓迎する声もある。

 「業務スーパー」を府内で4店舗運営する「とみづや」(大阪市)は昨年度から若手人材確保のため高卒採用を始めた。戸崎晴仁専務は「併願は内定辞退のリスクはあるが、優秀な人材と出会えるチャンスが増える」と前向きだ。

新ルール周知

 府内の高校では、新ルールを就職希望者に周知している。

 和泉総合高校(和泉市)では、高3生約170人の半数程度が就職組。5月中旬から併願できることを説明している。進路指導部長の教諭は「納得のいく就活になるよう支援したい」と語る。

 電気工事の専門資格を持つ男子生徒(17)は「自分への評価を複数の会社に聞いてみたい」と歓迎。飲食業を希望する女子生徒(17)は「人との競争は苦手。1社応募でいいかな」と話す。

負担増に懸念

 「1人1社」には、生徒は短期間で内定が決まり、企業も内定辞退が少なく、双方に利点がある。しかし、生徒は企業選びを学校に頼りがちで、流れで就職先を決めることも少なくない。3年以内の離職率が4割近くに上る要因ともされ、政府が全国の教育委員会に見直しを促している。

 だが、全国的に複数応募を導入する動きは鈍く、今年度は大阪を含めて4府県のみだ。昨年度から始めた和歌山県では、就職希望の高3生1089人(9月末時点)のうち、複数応募は5・4%(59人)と、制度の利用も低調だった。

 県内のある高校では例年、卒業生の半数近くが就職するが、複数応募はゼロだったという。進路指導担当の教諭は「初めてのことで、生徒の心の準備が間に合わなかった」といい、和歌山市のある企業は「慣例を急に変えるのは、学校、企業とも大変」と明かす。

 県教委はこうした実態を踏まえ、生徒が複数の企業をじっくりと比較できるよう、企業研究に早めに取り組める体制づくりを学校側に要請。企業側には引き続き協力を求めていく。

 高校生の就活支援サイトを運営する「ジンジブ」(大阪市)の森隆史常務は「学校が早い段階からキャリア教育を行うことで、生徒の就活への意識が高まり、複数応募の定着にもつながる。生徒数や企業数の多い大阪府の動向を各自治体が注目している」と指摘する。

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