【#野球しよう・彼女たちと白球】<夏へ3>ソフト部 挑む「二刀流」…走攻守 相乗効果に期待

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夏の全国選手権に向けて硬式野球の練習を始めた今村(右から2人目)ら熊本国府の選手ら。監督の河野(右)は野球の練習がソフトボールにも生きると期待する
夏の全国選手権に向けて硬式野球の練習を始めた今村(右から2人目)ら熊本国府の選手ら。監督の河野(右)は野球の練習がソフトボールにも生きると期待する

 「まだボールに慣れる段階たい。怖いと思ったら、よけろ」。6月18日、熊本国府(熊本)の女子ソフトボール部監督、河野博行(31)は部員たちに、そう呼びかけた。2週間前までソフトボールを追いかけていた部員たちはこの日、初めて男子中学生と野球の合同練習に臨んでいた。

開志学園準V 女子高校野球

 使用するのは硬球。男子のフリー打撃で、外野守備に就いた主将の今村 咲葵さき (2年)は「打球が速いから、ちょっと怖い」と漏らした。跳ね方や飛球の滞空時間がソフトボールとは違うからだ。それでも、中学で軟式野球を経験したこともあり、「打てば、きれいに飛んでいくから楽しい」と表情は明るい。

 女子ソフトボール部は創部69年の歴史を持ち、県高校総体優勝25回を誇る。その実力校が今年、新たな試みを始めた。ソフトと硬式野球、「二刀流」への挑戦だ。県内で女子硬式野球部がある高校は昨夏の全国高校選手権4強の秀岳館のみ。選手権決勝が甲子園で行われるなど盛り上がりを見せる女子野球の受け皿となるべく、熊本国府は女子硬式野球部を創部し、ソフト部員が野球をできる環境を整えた。

 今年4月、野球経験者を含む1年生12人が入部。まずソフトでの全国総体出場を目指したものの、今月4日に県総体で敗退した。1年生全員と希望した2年生4人を加えた計16人が女子硬式野球部として、7月に開幕する全国選手権に向け、すぐに練習をスタートさせた。

 福岡県久留米市出身の春口 紗來さら (1年)は中学3年間、ソフトに明け暮れた。部活を引退した後、「大会に出るため」と誘われた軟式野球が転機となる。ソフトとは違う面白さを知り、「両方できるなら」と熊本国府を選んだ。今村は昨夏の選手権決勝の映像を見て、「横っ跳びで球を捕る姿が格好いいな」とソフトをしながらも野球への憧れを抱いていた。

 硬球はソフトボールより小さくて軽い。一方、プレーするグラウンドは野球の方が広く、塁間も長い。だが、今村は前向きに捉える。「長い塁間をダッシュで走り切れたら、ソフトでは近く感じる。硬球を捉えられたら、ソフトにも生きる」

 元高校球児で女子硬式野球部の監督を兼ねる河野も、相乗効果の可能性を感じている。硬球は軽いため、送球で腕を振れる。外野からのバックホームでも強い球を投げる選手もおり、「いいとこ取りをしたら、二つともうまくなるのでは」と期待。春口も「野球、ソフトの両方で上を目指していきたい」と力を込める。

 学校のソフト専用グラウンドでは設備の問題もあり、野球の練習には制約もあるが、今村は「甲子園でプレーする」と意気込む。2011年を最後に遠ざかっているソフトで全国総体出場という目標も変わらない。野球に打ち込む夏。その経験の一つ一つが、糧になる。(敬称略)

ボール、塁間…似て非なる競技

 ソフトと野球は似た競技だが、異なる点は多い。塁間はソフトが約18メートルで、野球は約27メートル。投手板(プレート)と本塁の距離はソフトが約13メートル、野球は約18メートルと定められている。ボールも違い、円周約30センチ、重さ約177~198グラムのソフトに対し、野球は円周約23センチ、重さ約141~148グラム。高校生女子の競技人口(昨年度)をみると、ソフトは1万7408人(全国高校体育連盟加盟校)、野球は1320人(全国高校女子硬式野球連盟加盟校)となっている。

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