【#野球しよう・彼女たちと白球】<夏へ4>男子との練習実った…連合チームで試合出場

スクラップは会員限定です

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

男子と同じメニューをこなす鬼沢(手前)。夏の全国高校選手権に向けて、練習にも熱が入る=中原正純撮影
男子と同じメニューをこなす鬼沢(手前)。夏の全国高校選手権に向けて、練習にも熱が入る=中原正純撮影

 昨秋の兵庫県大会で準優勝した神戸学院大付男子硬式野球部のグラウンド。6月16日、甲子園へと続く地方大会の初戦まで1か月を切り、練習にも熱が入る中、ノックで主力選手が球を後逸した。気合が足りないと言わんばかりに、選手たちは一斉に外野へと駆け出す。

開志学園準V 女子高校野球

 一つに束ねた長い髪を激しく揺らしながら、鬼沢 日和ひより (2年)も、懸命に走った。約90人の男子に対し、女子は鬼沢のみ。過酷な環境で技術を磨いている。

 中学では男子中心のチームで主将を務めた。進学にあたり、関西の高校女子硬式野球部を見学。だが、「自分は技術もなく俊足でもない」とためらう。悩んでいた時に浮かんだのは3歳上の兄が通った神院大付だ。中学時代に見た練習は厳しかったが、チームの雰囲気は気に入っていた。「学院(神院大付)で野球やれるかな」。独り言のようなつぶやきに、兄は「野球に男も女も関係ない」と背中を押してくれた。

 ただ、公式戦には出場できない。日本高校野球連盟が、出場を男子に限定しているためだ。それをわかったうえで入部した。

 男子との練習は、きつい。授業が終わってから午後9時頃まで、休日は1日13時間以上、同じメニューをこなす。しかし、体力差は歴然としていた。インターバル走では完走が遅いグループの一人だった。「本気で野球すると決めて入ったのに、女子やからって言い訳したくない」。泣きながらも、やり抜いた。

 「自分が成長し、練習などでチームが強くなるために貢献したい」思いは強い。一方、公式戦で仲間の成長した姿を目にすると、プレーできない悔しさが募った。同時に、ある願望が頭をもたげる。「どれだけ成長できたのか試したい」。女子の大会に出る決意をした。

 全国高校女子硬式野球連盟などが主催する夏の全国選手権は、男子野球部に所属する女子や部員が足りない女子野球部の選手らが連合チーム「全国高校連合丹波」として出場できる。昨夏、野球部の理解を得て、連合丹波に加わった。

 試合の2日前に各地から集まって連係などを確認する急造チームだ。初戦で、鬼沢は1年生ながら二塁手として先発出場。強豪の京都両洋(京都)に敗れはしたが、同等の熱量で野球をしている仲間がいた。「自分も活躍できる場所がある」とうれしさがこみ上げた。

 甲子園出場を目指し、目の色を変えて練習する男子たち。自身は試合に出られず、レギュラー争いも関係ない。1年前は、気持ちが男子に追いついていなかった。今は違う。同じ意識で取り組めている。甲子園という目標ができ、連合丹波では定位置を争うライバルが現れたからだ。

 苦しい中、確実にレベルアップできる環境で、遠投の距離も、打球の飛距離も伸びた。「学校でいっぱい練習して、連合チームで結果を出したい」。2度目となる夏の大舞台、さらには決勝が行われる甲子園でのプレーは、イメージできている。(敬称略)

スクラップは会員限定です

使い方
「地域」の最新記事一覧
3142574 0 ニュース 2022/07/05 16:45:00 2022/07/05 16:45:00 2022/07/05 16:45:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/07/20220705-OYO1I50008-T.jpg?type=thumbnail

ピックアップ

読売新聞購読申し込みキャンペーン

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)