へき地医療をネットで強化 診療、薬の処方をスマホで…福井県が実証事業 訪問看護とも連携

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オンラインで診療の手順を確認する山崎医師(大野市で)
オンラインで診療の手順を確認する山崎医師(大野市で)

 山間部などへき地の医療体制を強化するため、福井県は27日、スマートフォンやタブレット端末を使って患者と診療所の医師をつないだオンライン診療の実証事業を始めた。患者は自宅にいながら、診療や薬の処方を受けられ、会計ができる。県は、診療所と拠点病院の医師同士を結び、患者が遠隔でより高度な医療を受けられるシステムの構築も進める。(仁木翔大)

 「体調は変わりないですか」。福井県大野市中心部から車で約30分の山間部にある同市和泉診療所で27日、医師が画面越しに患者役の女性から症状を聞き取っていた。

 和泉診療所では、生活習慣病などの定期的な経過観察や薬の処方が必要な患者らへの診療を想定する。対面で複数回診察した後、病状が安定していればオンラインに切り替えることができる。患者に専用アプリをスマホやタブレット端末にダウンロードしてもらい、ビデオ通話などを使って診察する。

 同診療所の山崎高宏医師(46)は「音声や映像も鮮明で問題なく診ることができる。マスクをせずに済むので、患者の表情がわかりやすいのもメリットだ」と話していた。

 おおむね半径4キロ圏内に医療機関がなく、公共交通機関での通院も困難な「無医地区」に、診療を担う「へき地診療所」が開設されている。県内には現在、和泉診療所を含め10か所ある。実証事業は同診療所に加え、河野診療所(南越前町)、名田庄診療所(おおい町)、丹生診療所(美浜町)の計4か所で実施する。

 福井県によると、実証では、オンライン診療のほか、訪問看護師が患者の容体の変化に気付いた際、オンラインで医師の指示を受けて応急処置をする。また、診療所の医師や看護師の同席で、患者が別の拠点病院の専門医の診療を受けられるようにする。

 薬局とも連携し、処方箋のデータを受け取った薬局がオンラインで服薬指導し、自宅に薬を配送するシステムも構築する。

 国は今年度から、初診からオンラインで診療できる制度を本格的に導入した。一方、全国に1000以上あるへき地診療所の中で、オンライン診療を導入しているのは数十か所にとどまるという。

 福井県は今年度、へき地医療に関するシステム導入費や通信費などに約500万円を充て、整備を急ぐ。県地域医療課は「実証を通じて課題を見つけて改善につなげたい。住み慣れた地域で誰もが質の高い医療を受けられるような体制を整えたい」としている。

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