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クルーズ船の見送りで三味線を奏でる田村さん(高知新港で)
クルーズ船の見送りで三味線を奏でる田村さん(高知新港で)

 ◇三味線奏者 田村花枝さん32

 夕刻の高知新港に、三味線の軽快な音色に合わせて、よさこい節の歌声が響く。停泊中の大型客船のデッキから外国人観光客が盛んに拍手を送った。約2年前から月に数回、見送りの演奏を続けている。

 三味線(常磐津節)と小唄(田村流)の両方の師範の免状を持つ。三味線教室「めぶき会」を主宰するほか地元・いの町の学校でも指導。一方で、アメリカやドイツなど海外に活動を広げている。「三味線を通じた国際交流で日本の伝統文化の魅力を発信したい」

 幼い頃から日本舞踊や茶道に親しみ、三味線を始めたのは中学2年から。地元の女性師範宅に通って腕を磨き、高校1年の冬には「三味線の道に進む」と決めた。

 高校卒業後、大阪の常磐津節の師匠に弟子入り。日本舞踊の伴奏曲など、覚えなければならないことも多い。「思い出しても厳しい日々だった」と振り返るが、自分で決めた道だからと、アルバイトをしながら稽古に励んだ。

 18歳で常磐津節の名取(師範)になり、プロとして演奏会にも出演。だが、上下関係の厳しさなど伝統芸能の世界に居づらくなり、21歳の時、三味線としばらく距離を置こうと、高知に戻った。

 帰郷して半年ほどたったころ、料亭での三味線演奏の仕事を紹介された。よさこい節、しばてん音頭など民謡は未経験だったが、人前での「弾き歌い」で度胸が付いた。三味線教室も始め、母校の伊野南小や、伊野商業高に教えに行くようになり、現在も、クラブ活動として指導を続ける。

 一方で、子どもの頃から海外への関心も高かった。自宅はホストファミリーとしてショートステイの外国人を受け入れており、「着物姿で踊ったり三味線を弾いたりして喜んでもらえると、国際交流の役にたっているようでうれしかった」と昔を振り返る。

 高知に戻って25歳の時、内閣府の国際交流事業に申し込み、インド、スリランカなどへ40日間旅した。三味線を持ち込み、参加者に弾き方を教えるなどした。「海外の若者たちは、貴重な日本の文化だと興味を示してくれた。三味線を海外に発信できる数少ない人間かも知れない」と気付いた。国際交流への思いが強まり、帰国後はALT(外国語指導助手)たちへの年に1度の講習会も手がけた。

 3年前には、アメリカ・フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートで働くプログラムに合格し、1年間、テーマパーク内のレストランで勤務しながら、三味線を教えたり、イベントで演奏したりした。「アメリカのディズニーですし職人をしたことのある三味線奏者は自分ぐらい」と笑いながらも、「自分のやりたいことに打ち込むこと。それを恥ずかしく思う必要はないんだ、とアメリカでの出会いで勇気づけられた」と感謝する。

 「もともと向こう見ずで、思い立ったら飛び込んでいく性格」と自己分析する。「自分が三味線を教えている子どもたち、若者たちにも、日本や海外で出来ることは、たくさんあるのだと伝えたい」。三味線を通じた国際交流はこれからが本番だ。

 (支局長 上田昌義)

 ◆ブログで活動紹介

 田村さんは、三味線について多くの人に知ってもらおうと「花枝の三味線ブログ」(https://www.hanae-chiritote.com/)を開設。自らの活動やアメリカでの体験などを分かりやすく記しているほか、自分で描いたイラストを添えたエッセーなども載せている。三味線教室「めぶき会」の活動も紹介しており、問い合わせなどもできる。

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41977 0 人あり 2018/09/23 05:00:00 2018/09/23 05:00:00 クルーズ船の見送りで三味線を奏でる田村花枝さん(高知新港で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/01/20180922-OYTAI50011-T.jpg?type=thumbnail

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