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脱プラ パック直飲みする?

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ひまわり乳業が学校に納める牛乳(中央)などの紙パック製品
ひまわり乳業が学校に納める牛乳(中央)などの紙パック製品

感染不安 対応分かれ

 ふたをコップにして使う水筒を見なくなった。今は注ぎ口に直接口をつける「じか飲み」タイプが主流となっている。県内の多くの学校で今年、給食の紙パック牛乳も直飲みに変わった。プラスチックごみを減らそうと付属のストローをなくしたからだ。ただコロナの影響で口にする物への視線は厳しくなるばかり。若者への感染力が強いとされる変異したウイルスも拡大中だ。さあ、どう飲みますか。(北島美穂)

 「ひまわり乳業」(南国市)の紙パック牛乳(200ミリ・リットル)。県内の5割強に当たる約160校に納められている。

 試しに購入してみた。接着された飲み口を広げるのは、一般の紙パックとほぼ同じ。口がつく部分は開封前、手が触れにくい奥の方にあり、衛生上の問題はなさそうだ。

 強いていうと、飲み口がうまく開かなかったとき、つい指でつまんでしまったり、他人が触れやすい露出した周辺部に、唇が当たったりすることがあるかもしれない、と感じた。

 現場の判断はどうか。高知市立秦小は1月から「直飲み」を続ける。最初は慣れたストローで飲む児童もいたが、浸透したという。学校側は「手洗い指導を入念にしています」と衛生面に自信を見せる。

 一方、南国市立大篠小では「全員の手洗いを細かく見るのは難しい」と直飲みをせず、在庫のストローを持ち出して使っていた。

 ストローに比べて飲み口が大きくなる。土佐市教委の担当者は、一気に牛乳が喉に流れ込み「せき込むリスクが高くなる」と指摘していた。飛び散れば「牛乳アレルギーの児童への配慮も必要になる」とも。

 小中学校にストロー利用を指導しているのは田野町教委。担当者は「飲み口に触ったり噴き出したりしないか」と懸念し、さらに「家の1リットルパックを直飲みする癖がつかないだろうか」とマナー上の問題にも考えが及んでいた。一度気にすると、心配の種は尽きないようだ。

 保護者の考え方も様々だろう。南国市の母親(45)は「小学生の次女は『早く飲める』と喜んでいました。けれども中学生の長女は『パックの回収時、飲み口に手が触れそうで嫌』と話していて……」と困惑した様子だった。

 そもそもの話。感染リスクはどちらの方が高いのだろうか。

 北海道医療大の塚本容子教授(公衆衛生学)は「受け渡しの際に紙パックにウイルスが付く可能性がある。手で飲み口を開ける以上、感染の恐れは残る」と語る。ところが関西大の高鳥毛敏雄教授(公衆衛生学)は「ストローを使うと紙パックと合わせて二つの物に手が触れる。感染経路が増える分、ストローの方が高リスク」と話していた。

 脱プラの流れとウイルスへの恐れ。どちらも普段から気にかけておきたい事柄だ。ただ飲み方については実に様々な意見があった。文部科学省の健康教育・食育課、松村聖美主任は「今の飲み方が嫌という声があれば、学校は子どもと解決策を考えることが重要」と提言している。

 絶対に正しい答えはないような気もするが、大きなスローガンの勢いに、小さくとも切実な声がかき消されないようにしてほしい。

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1990650 0 近問(ちかもん) 身近な疑問 取材します 2021/04/17 05:00:00 2021/04/17 05:00:00 2021/04/17 05:00:00 デザインをストローレス化した、ひまわり乳業の紙パック牛乳(南国市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2021/04/20210416-OYTAI50008-T.jpg?type=thumbnail

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