【外国人材@高知】農業現場 貴重な労働力

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(上)まきさん(右)に見守られながらニラの仕分け作業をするオンマさん(下)仕事を終え、自室で日本語の勉強をする(いずれも香美市で)
(上)まきさん(右)に見守られながらニラの仕分け作業をするオンマさん(下)仕事を終え、自室で日本語の勉強をする(いずれも香美市で)

香美の実習生 丁寧に仕事 毎晩日本語勉強

 少子高齢化が著しい県において、外国人技能実習生は、貴重な「労働力」だ。基幹産業である農業の現場で働くミャンマー出身の女性を取材した。(石塚直人)

 外国人技能実習生キン・オンマ・ゾーさん(36)が、香美市の農家で働き始めて2年4か月になる。仕事場を訪ねると、収穫したばかりのニラを仕分けする作業に追われていた。

 机の上に山積みされたニラを手に取り、規格に合わないもの、傷んだものを素早くより分ける。“合格”したニラははかりに載せて100グラムずつの束にし、50個を箱詰めに。野球帽をかぶっているのは、髪の毛が落ちないようにするためだ。

 雇い主の石川清次さん(65)は「粗悪なものが交じると信用にかかわるので最初は大変だったけど、彼女は仕事が丁寧で早い」。向かい合って作業する母晴美さん(89)も優しくうなずく。

 石川さんは4人家族だが、それでも人手不足のため、2007年から実習生を受け入れた。地元農協を母体とする監理団体を介して、各国の送り出し機関から希望者を紹介され、3年間の契約をする。中国、タイやミャンマーから2人ずつ受け入れた。「同国人なら自由に雑談できるから」との親心で、これまで全員が女性だ。

 オンマさんも16年10月、別のミャンマー女性と一緒に来日したが、彼女が昨年2月に失踪、1人になった。

 昨年春に弟(28)を事故で亡くし、家族は母(65)ひとり。「毎日電話します。私のことが心配だと言うので、仕事や高知について詳しく話します」

 母国で大学を卒業後、百貨店に勤め、マレーシアでも4年間働いたが、賃金が高い日本に憧れた。今は月に22日働いて、手取りが約13万円。ミャンマーの10倍近くで、ほぼ隔月で20万円ずつ送金する。母の生活を支え、自分と母の老後に備える。

 石川さん宅の敷地内にある10畳ほどの部屋を見せてもらった。ベッドや布団、テレビなどがきれいに整頓され、きちょうめんな性格をうかがわせる。3食を自炊し、野菜や果物、魚は石川さん家族が差し入れることもある。日頃の買い物は近所のスーパーで済ませ、遠出が必要になると、石川さんの妻まきさん(60)が車で連れ出す。

 毎晩1時間ほどは参考書で日本語を勉強。テレビでニュースを見て「北海道は大雪ですね」などと周囲に話しかけることもある。石川さん夫婦を「お父さん、お母さん」と呼び、「日本語は難しいです。とくに土佐弁が」とも話す。

 今年10月には帰国するが、その後のことはお互い、あまり話さずにいる。「また来たいと思う一方で、跡取りの弟を失ったお母さんが心配なんでしょう」とまきさん。仏教徒のオンマさんの希望で来月、鎌倉と東京に旅行し、大仏とスカイツリーを見学することだけは決まっている。

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436855 0 ニュース 2019/02/09 05:00:00 2019/02/09 05:00:00 2019/02/09 05:00:00 ニラの仕分け作業をするオンマさん(右は石川まきさん)(香美市で) https://www.yomiuri.co.jp/media/2019/02/20190208-OYTNI50044-T.jpg?type=thumbnail

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